本研究では、亜熱帯化先進地である沖縄で顕在化している赤土等の土砂流出・侵食問題と風食により砂漠化が進行している乾燥地に焦点をあて,水食と風食の連動による侵食特性を明らかにすることを目指した。その成果として、砂質土では、主に含水状態に着目し、風速と土壌損失量の関係、含水比と土壌損失量の関係を評価した。その結果、低含水比下においても,含水比の増加に伴い,表層のせん断抵抗は増加すること,また、含水比がわずかでも増加すると限界流速は40%程度増加することを明らかにした。加えて、統計的・力学的手法を組み合わせた土砂流出・侵食量予測モデルを提示し、その妥当性を降雨強度を種々変えた模型実験を通して検証した。
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