研究課題/領域番号 |
24656288
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
柴 錦春 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20284614)
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研究分担者 |
日野 剛徳 佐賀大学, 低平地沿岸海域研究センター, 教授 (20295033)
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キーワード | 微生物 / 地盤改良 / 粘性土 / モデル試験 |
研究概要 |
平成25年度は主に(1)白ナタ豆由来尿素分解菌(ウレアーゼ菌)による炭酸カルシウム(CaCO3)の沈降促進効果、と(2)尿素・CaCl2・ナタ豆混合液(微生物溶液)を粘性土に混入して、粘性土の強度増加について実験的に検討し、定量的に評価した。CaCO3の沈降促進効果について、ナタ豆0.125g/l、尿素・CaCl2それぞれ0.25 Mol/lの溶液中にCaCO3の析出率は約42%になった。これは市販されている尿素分解菌の析出率と同等の値になっている。粘性土の強度増加について、コラム沈降試験で検討した。同じ含水比で、微生物溶液を入れたケースの非排水せん断強度は蒸留水のみを入れたケースの約2倍になった。微生物溶液から析出したCaCO3は粘土粒子間の結合を強化したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は以下の二つの課題を計画した。 (1) 微生物による浚渫土・建設発生粘性土の改良方法の検討と効果の評価 (2) 粘性土の強度増加に微生物の量、尿素・CaCl2の濃度と養生期間の影響を実験的検討 この二つの課題にについて、計画通りの実験を実施し、概ね予想した成果を得られた。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 微生物濃度の測定。今までナタ豆の量の影響を実験的に検討した。溶液中の微生物濃度(単位体積中微生物の個数)を直接測定できなかった。平成26年度、微生物溶液を希釈して、電子顕微鏡で直接微生物の個数を数える。 (2) 大型モデル試験。平成25年度の沈降試験は直径100mm、高さ200mmのモルトで実施したが、平成26年度、直径300mm、高さ800mmのモルトで実験する予定である。また、モデルに酸素(空気)供給の影響も検討する。 (3) 市販とナタ豆由来尿素分解菌の効果の比較。微生物濃度が同じ条件で、沈降試験により市販の尿素分解菌とナタ豆由来菌による粘性土強度増加の効果を比較検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
残りは約6万円しかなかった。年度中に全部消化するよりも、本研究の最終年度平成26年度に回した。 大型沈降試験モルト作成費として使う予定である。
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