平成26年度は引続き白刀豆由来尿素分解菌(ウレアーゼ菌)による炭酸カルシウム(CaCO3)の析出促進効果、尿素・CaCl2・刀豆粉末混合液(微生物溶液)を粘性土に混合して、粘性土の強度増加及び影響要因を実験的に検討した。主に以下のこと明らかにした。 (1)微生物養生によるCaCO3の析出率への影響:尿素・CaCl2・刀豆粉末を同時混合することをケース-1とし、尿素・刀豆粉末を混合し、2週間養生後、CaCl2を混合すことをケース-2とする。ケース-2のCaCO3析出率はケース-1より高かった。しかし、ケース-1の場合、析出したCaCO3は結晶の塊になったが、ケース-2の場合、析出したCaCO3は粉状になっていた。 (2)CaCO3の析出量と粘性土の強度増加:前述のケース-1の条件で、CaCO3の析出量と析出率が異なる微生物溶液を製作し、有明粘土に混合した。それを2-3週間養生後、粘性土の非排水強度を室内ベーンせん断試験により測定した。CaCO3の析出量が多い溶液の場合、粘性土の強度が高かったことが分かりました。前述ケース-2の条件で、実験した結果、CaCO3の析出量と粘性土の強度の間に相関性が見つけなかった。つまり、CaCO3の析出量・率だけではなく、析出したCaCO3の結晶状況も粘性土の強度増加に影響を及ぼしている。
|