本研究は,近年ようやく一定程度の比率の人々に普及してきたGPS機能つき携帯電話による被災者の位置情報データに着目し,住民の被災状況,各避難所に実際に居住する人数などの基礎的な情報を取り出す方法を提案し,被災地ニーズの定量モデル分析を行うことを目的とした. 研究の結果として,個人情報保護の制約により集計された位置情報データを用いて,復興過程の時空間的なパターンを把握できることを示した.一方集計データでは,被災地ニーズとの定量的な対応付けを行うことは困難であった.今後,時間情報のみを残した非集計データなど,個人情報保護とのバランスについて検討を継続することが望まれる.
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