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2013 年度 実績報告書

持続可能な交通システムのための新制度提案:進化的環境料金と走行排出権取引

研究課題

研究課題/領域番号 24656301
研究機関東北大学

研究代表者

長江 剛志  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30379482)

キーワード交通計画 / 持続可能性 / 環境料金 / 排出権取引
研究概要

本研究では,持続可能な道路交通システムのための2つの新しい制度を提案し,それぞれの長所と短所を明らかにした.具体的には,第1に,持続可能な交通配分を「道路網全体からの環境負荷(温室効果ガスの排出)が許容範囲内に収まり,かつ道路網全体の総旅行時間が最小となるような交通配分」と定義した.第2に,複数車種が存在する枠組の下で,持続可能なシステム最適(SSO: sustainable system optimal)配分を求めるための問題を定式化した.第3に,このSSO配分を自律分散的に実現する制度として,1) 進化的環境料金制度と 2) 走行排出権取引制度という2つの新しい制度を提案した.ここで,前者は「各リンクの利用者に,環境負荷に応じた料金(環境料金)を賦課し,この料金を,観測されるリンク交通量に応じて日々更新する」制度である.後者は「各リンクの利用者に,当該リンクの走行に不可避な温室効果ガスの``排出権''を事前に購入することを義務づけ,この排出権の価格が需給バランスによって決定されるような完全競争市場を整備する制度」である.最後に,それぞれの制度が,持続可能な交通配分を自律分散的に実現する-----すなわち,それぞれの制度の下で,局所的情報に基づいて利己的に行動する道路利用者の集団ダイナミクスが,持続可能な交通配分へと大域的収束する-----ための条件を明らかにした.具体的には,まず,SSO配分を自律分散的に実現するような進化的環境料金が存在し,それを決定づける唯一のパラメータが,日々観測される交通量のみに基づいた手続きによって求められることを示した.次に,日々観測される交通量に基づいて各車種・各リンクの必要排出権を決めることで,排出権取引制度の下でSSO配分が自律分散的に実現することを示した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Tradable Time-Specific Permits with Multiple Purchase Opportunity under Dynamic Uncertainty

    • 著者名/発表者名
      Nagae, Takeshi
    • 学会等名
      The First International Workshop on Market Design Technologies for Sustainable Development
    • 発表場所
      慶応大学
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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