研究課題/領域番号 |
24656303
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山中 英生 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20166755)
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研究分担者 |
奥嶋 政嗣 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20345797)
近藤 光男 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (10145013)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 交通安全 / 過積載 / 交通流分析 / 自動車両重量計測 / マレーシア / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究は,マレーシア・マラヤ大学との共同研究において速度,加速度,車頭時間,車両重量,軸数,軸間距離を観測した実績をもとに,車種と車両重量を考慮した交通安全評価のための代理指標(コンフリクト指標)を提案し,可搬式の路面設置装置を用いて交通流を観測し,提案指標の有効性を検証することを目的としている。第一年度における研究の実績は以下の通りである。 1)積載量・制動性能関係モデルの開発 小型,中型,大型トラックについて,積載量,路面状態(乾燥・湿潤)を変化させた時の停止挙動の関係モデルを開発するため,車両運動シミュレーションソフト(MSC製ADAMS/CAR)を用いて,上記条件を変化させた時の挙動を推計した。その成果は東アジア交通学会(2013年9月開催)に論文として投稿している. 2)交通流観測による交錯指標のレビューと新指標式の提案 2車両の走行状態の関係の安全評価を行う指標として,減速挙動を考慮したPTTC(若林ら,2002),PICUD(宇野ら,2002)を基礎として,新しい交錯指標を考案し,マレーシアで計測した車両重量,車種,速度,加速度,車頭時間のデータを用いて.分析を行った.この成果についても東アジア交通学会(2013年9月開催)に論文として投稿している. 3)可搬型WIM装置の製作 マラヤ大学で開発している可搬型WIM装置を改良し,精度検証を行っている.これについては,精度向上のためのセンサー設置方法の検討を進めている。 4)車両積載規制の基礎的分析 車両積載規制の実情をもとに,規制の社会的効果を分析する基礎フレームを検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)積載量・制動性能関係モデルの開発については車両運動シミュレーションソフト(MSC製ADAMS/CAR)での基礎データ収集を終え,成果を東アジア交通学会(2013年9月開催)に論文として投稿している. 2)交通流交錯指標の指標提案についても,検討が終了し,成果を東アジア交通学会(2013年9月開催)に論文として投稿している. 3)可搬型WIM装置の製作整備については,マラヤ大学で開発している可搬型WIM装置を改良について,精度向上のためのセンサー設置方法の検討を進めているところで,この検討を終えた時点で新型の可搬型WIMを製作して検証実験を実施する予定になっている。当初は年度内に新型WIMを製作する予定で予算を計上していたが,精度向上の改良を進めるため,製作と検証実験を第二年度に延期した。このため予算を繰り越している。 4)車両積載規制の基礎的分析についても,既設の車両重量計測結果の分析をもとに,規制の社会的効果を分析する基礎フレームを提案している.一部は論文としてとりまとめ中である。 以上の点からおおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
以下の研究内容を進める。 1)可搬型WIM装置の製作 マラヤ大学で開発している可搬型WIM装置の改良を継続し,精度検証を行う.その結果を踏まえて新型の可搬式WIM装置を製作する。 2)可搬型WIM装置による交通流観測 交通事故特性が異なる区間を選出し,交通流を観測する.大型車混入率の高い路線,その他の一般国道などを選定して,車両重量,車種,推計積載容量,車頭時間,速度,加速度を計測する。現時点ではマレーシアでの計測を優先して実施し,WIM設置方法の改良を進捗に応じて,日本での計測実施を検討する。 3)提案指標による交通流の安全性評価と事故特性との関連分析 上記の観測区間の指標値と交通事故との関連分析を行い,指標の有効性を検証する.
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次年度の研究費の使用計画 |
1)マラヤ大学との共同で可搬型WIM装置の製作および交通流観測を実施するため,消耗品(センサ,電子部品,設置用資材),設置作業賃金を使用する。また,この作業の指導のため,マレーシアへの旅費(1名1週間程度)を計画している。さらに,日本での設置検討の打合せのための旅費使用を計画している。 2)交通流観測結果の分析,論文作成のため,分析作業補助に謝金を使用するとともに,分析作業・論文作成の打合せのためマレーシアより研究協力者の来日費用を計画している。
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