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2013 年度 実績報告書

有害アオコの夜間生態の解明とその良水取水システムへの活用

研究課題

研究課題/領域番号 24656310
研究機関東北大学

研究代表者

牧野 育代  東北大学, 環境保全センター, 助教 (00542060)

キーワード夜間計測 / アオコ / Microcystis / 良水取水システム
研究概要

アオコ形成種であるMicrocystis属は日中は活発に有光層の範囲を鉛直方向に移動する。本課題ではMicrocystis属の夜間生態を解明して、アオコ形成種が水中深くに潜った夜間の時間帯を活用した良水取水システムの発案を目指した。1年半の夜間観測の結果、アオコは夜中でも鉛直運動をすることが認められた。Microcystis属のアオコの夜間生態は、予想していたよりも活発に鉛直運動を繰り返し、少量であらゆる水深に分布していた。ただし、8月~9月の夜間のアオコ塊は、深夜2時から4時はほぼ運動せず、一定の水深に留まっており、夜間においてもアオコの生態はアオコ形成初期、高密期、衰退期、消滅期ごとで異なることが予測された。
大小さまざまなアオコの塊は深夜4時過ぎあたりからゆっくりと浮上し、8時には多くが浮上して昼にはマット状のアオコを形成した。水面のアオコは午後2時ごろから分散を始め、午後4時には水面にまばらに漂うアオコが確認される程度にまで減少するサイクルが衰退期において毎日続いた。このサイクルのリズムは、Microcystisは光合成藻類であるので、走光性のみでは説明できない。つまり、日の光をキャッチするより以前にアオコの塊は浮上しはじめ、日が沈む前に沈降してゆくという現象からは、衰退期のアオコ塊の生理機能や、細胞の挙動を知る必要性が伺えた。
本研究期間では、アオコは夜間に沈み特定の期間では一定の水深に留まるという現象を捉えた一方で、具体的な良水取水システムの創出には至らなかった。そのシステムの創出には、(1)取水の最適時間を把握するためのアオコ鉛直運動の定量化、(2)アオコ形成種の代謝物の有害無害の把握とその水中への放出に関する試験調査、が課題として残った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 河川水質の特徴とアオコ形成種の増殖との関係2014

    • 著者名/発表者名
      牧野育代,矢作裕司
    • 雑誌名

      環境と安全

      巻: 第5巻、第1号

    • DOI

      10.11162/daikankyo.14G0102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] レジャー利用のある山岳森林河川に共通する水質変化の検討2013

    • 著者名/発表者名
      牧野育代,矢作裕司
    • 雑誌名

      環境と安全

      巻: 第4巻、第3号

    • DOI

      10.11162/daikankyo.13G0603

    • 査読あり
  • [学会発表] 受熱期の貯水池流入部における成層形成が光合成藻類の増殖に及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      冨田周作、牧野 育代、矢作 裕司
    • 学会等名
      日本機械学会 関東支部第20期総会・講演会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20140314-20140315
  • [学会発表] Impact of Warm Water in Stream on Water Quality of Headwater Reservoir2013

    • 著者名/発表者名
      Ikuyo Makino, Yuji Yahagi
    • 学会等名
      Global Congress on ICM, Proceedings of EMECS 10- MEDCOAST 2013 Joint Conference
    • 発表場所
      Marmaris, Turkey
    • 年月日
      20131030-20131103

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公開日: 2015-05-28  

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