8月~9月の夜間観測においてアオコの小さな塊は、深夜2時から4時はほぼ運動せずに一定の水深に留まった。また、日の光をキャッチするより以前にアオコの塊は浮上しはじめ、日が沈む前に沈降してゆくという現象からは、衰退期の藍藻の生理機能や細胞の挙動を知る必要性が伺えた。良水取水システムの創出には、1.取水の最適時間を把握するため、アオコ発生初期から衰退期に至る数か月における鉛直運動の調査、2.アオコ形成種が排出する代謝物の有害無害の把握とその水中放出に関する試験調査、3.アオコの分解後の細胞の挙動、の3点が重要な課題として残った。
|