研究課題/領域番号 |
24656313
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 芳久 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20226260)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 光合成阻害 / 藻類 / 生態毒性 / リアルタイム / モニタリング |
研究概要 |
平成24年度の研究実績について以下に詳述する。 1.1 光合成阻害試験装置の校正のための標準物質の選定:光合成阻害試験の測定が毎回正確に再現性良く行われていることを保証する必要がある。このために、クロロフィル分子の励起波長である440 nm付近に励起波長を有し、その蛍光波長である680 nm付近の蛍光を放出する物質を選出し、標準物質として定めた。 1.2 光合成阻害試験方法の確立:光合成阻害試験の結果の安定性および感受性を高めるために試験方法の改良を行い、培地組成、暗順応時間、培養明暗期間サイクル中の採取時期、培養日数、植え継ぎ世代、水温、細胞濃度調整方法等の各項目について検討・改良を行った。 1.3 様々な毒性化学物質に対する光合成阻害試験の試験データの蓄積:毒性作用メカニズムが明らかになっている毒性化学物質を複数選定して光合成阻害試験を行い、毒性データを蓄積した。 1.4 光合成阻害試験に用いる藻類の選定:1.2および1.3の項目を検討していく中で、3種類の藻類間の感受性のいを比較し、本研究の目的に最も適した光合成阻害試験のための藻類を選定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、まず光合成阻害試験方法の確立することを目的とした。次にこの成果を用いて化学物質を推定す ることが可能なリアルタイムの評価システムを構築することを目的とする。 平成24年度には、光合成阻害試験に最適な藻類を選択し、同時に試験方法の詳細手順を確立することができたことから、当初計画通りに進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は平成24年度に得られた成果を利用して、化学物質を推定することが可能なリアルタイムの評価システムを構築することを目的とする。具体的には、平成24年度に確立した光合成阻害試験方法を種々の化学物質に適用して光合成阻害の30分内の時間変化パターンを解析することにより、水環境試料中の生態毒性を有する化学物質を推定することも可能な一連のシステムの構築を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、平成24年度と同様に、実験を行うための消耗品、実試料をサンプリングするための旅費、実験補助のための謝金等に使用する予定である。
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