発泡機によって炭酸ガス気泡を生成してセメントペーストに混ぜ込んでCO2気泡コンクリート(CFC)を作製する方法を検討した。その上で、、1)CFCからの炭酸ガスの漏れを調べ、二酸化炭素をCFCに閉じ込めることを確認した。2)CFCの圧縮強度、曲げ強度、凝結時間、密度、吸水率、乾燥収縮などの性能とセメント種類、CO2気泡量、気泡中のCO2濃度、養生材齢などの関係を考察し、CFCの力学性能、物理性能および長さ変化が、通常の気泡コンクリート(AFC)とほぼ同じであることを明らかにした。3)pHの測定によってCFCのアルカリ性およびCO2気泡量、養生材齢、セメントの種類などの影響を考察し、CFCのアルカリ性は長期的に11.5(pH)以上に維持できることを検証した。4)加熱法によって450~800℃の重量損失を測定し、CFCの炭素固定量を考察した。CFCの炭素固定量に及ぼすCO2気泡量おとび材齢の影響を検討した。CO2気泡を混入したCFCの炭素固定量は6%前後であることを明らかにした。5)電子顕微鏡(SEM)によってCFCとAFCの内部構造を観察し、CFCの気泡寸法と分布を考察した。また、気泡内壁面の結晶体の形態を調べた。6)X線回折装置(XRD)による結晶物の解析を行い、Ca(OH)2とCaCO3結晶のX線回折強度に及ぼす気泡とセメントの種類の影響を検討した。CFCのCaCO3結晶量はAFCと大きな違いがないことより、CFCの化学的炭素固定は少なく、物理的炭素固定と位置づけることを解明した。
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