研究課題/領域番号 |
24656328
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
朝山 秀一 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (50120100)
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研究分担者 |
前 稔文 大分工業高等専門学校, 都市・環境工学科, 准教授 (90318171)
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キーワード | アルゴリズミック・デザイン / 空間構造 / 風紋 / 地形 / 河床 / 構造形態創生 |
研究概要 |
1.プログラムの開発 昨年度開発した風紋の形成理論に基づく空間構造を生成するプログラムを拡張して、正弦波で近似できる砂丘の上に風紋を重ねて得られる形態について骨組解析ができるプログラムに発展させた。 2.プログラムに基づく研究成果 今回機能を拡張したプログラムを用いて、一方向風で形成される風紋に基づく空間構造モデル、正弦波で近似した砂丘に基づく構造モデル、両者を組合わせた構造モデルを作成して、1kN/㎡の鉛直方向積載荷重と自重に対する解析を行い、構造的に合理的な形態をその高さ方向の倍率を変化させながら探査した。その結果、概ね正弦波の半周期分の上に凸な形態に、風紋の凹凸を加えた形態が上記の3つのモデルタイプの中では力学的に優れていることが分かった。この成果は、本年9月にブラジルで開催される国際学会IASS2014(International Association for Sell and Spatial Structure)に、論文として発表をする(採択)ことになった。また、その一部は本年の日本建築学会大会で口頭発表する予定である。 また、河床変動理論を用いた凹凸のある空間構造の研究では、昨年開発したプログラムを用いてパラメタリック・スタディーを行い、その基礎的な力学特性を把握し、応力分布を視覚化した。その結果については、本年度の情報・システム・利用・技術シンポジウム(日本建築学会)で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度も述べたが、ソルバーとして本解析システムに組み込んでいるプログラムでは面材の取り扱いがまだに出来ず、ラチスシェルの形態でスタディを行っている点にやや不自由さを感じるが、風紋と砂丘を組合わせた形態に、構造的合理性を見出すことができ、その論文が現時点で国際会議に採択されので、その部分は予想以上に順調と考えられる。総合して、おおむね順調な研究の進展と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
国際会議IASSに投稿した論文が採択となったため、本年3月末に予定していた第2回中間報告会を9月に延期して、IASSの開催地であるブラジリア(ブラジル)で、会議の合間に行うことにした。このIASSには、東京電機大学大学院建築学専攻に平成25年度の研究生として在籍したIasef M. Rian氏(トリノ工科大学博士課程在籍)も参加予定なので、第2回中間報告会のオブザーバーとしの意見をもらい、平成26年度の研究のまとめに役立てることを計画した。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の成果を論文にまとめて2月に国際会議IASS2014(開催地ブラジル)に投稿し、採択となったので、3月に予定していた第2回研究中間報告会を延期して、国際会議の開催地(ブラジリア)にて会議の合間に行うこととした。そのために年度内に旅費を使わず、繰越とした。謝金は、予定とほぼ同じ金額を使ったが、初年度の繰越分がそのまま繰り越されたため、次年度使用額が表の金額となった。 当初予定した国内の中間報告会用の旅費を、国際会議の出張と中間報告会を兼ねた旅費に変更する予定である。また、平成26年度もプログラム開発を継続するために、繰り越した謝金を使用する。
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