本研究の目的は,医療・福祉分野において現行制度では対応できない支援を提供している施設(非制度依存型地域ケア施設)が利用者ニーズに対応した柔軟な支援をどのような環境で提供してきたについて明らかにすることである. がん医療については,患者・家族への情報・相談・交流支援ならびに緩和ケアを先駆的に実践している施設を対象とした実態調査を行い,支援環境の計画要件を整理した.高齢者支援については,小規模で多機能な支援を提供する宅老所を対象として,支援体制・環境とその利用構造を明らかにした.重症障害児者への支援を実践する施設での実態調査を基に,医療依存度の高い重症児者への支援体制・環境に関する知見を整理した.
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