我が国の城下町都市等では、道路の正面に山の頂を眺望できる「山当て」と呼ばれる現象が見られるが、これらが意図を持った計画や手法であったことは証明されていない。 本研究では、GISとGPSを用いた山当ての精密な計測方法を構築し、城下町都市と殖民都市を対象に、目視で確認されてきた山当ての実態を客観的に解析した。さらに、対象となる道路や山の性格等を把握してその関係を詳細に分析することで、仮説的にその意図を考察した。その結果、例えば城下町都市では、大枠の骨格部、治水事業実施部、鍵型街路、堀の屈曲部、門や枡形、社寺の参道や寺町の軸等において、特定の意図をもった設計手法であることを明らかにした。
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