研究課題/領域番号 |
24656356
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
奥田 紫乃 同志社女子大学, 生活科学部, 准教授 (60352035)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 景観・環境計画 / 街並み / 主観評価実験 / アジア / ショップハウス |
研究概要 |
評価者の出身地が、歴史的観光都市における町家の外観ファサードの好ましさにどのように影響するのかを明らかにすることを目的とし、先行研究における評価実験で用いた京町家のファサード画像を対象として、外国人 被験者(アジア人を対象とする)による町家外観の好ましさ評価実験を実施した。 また、先行研究(京都・高山 の町家ファサード画像を出身地の異なる被験者により評価させた結果、及び京町家の窓装備の色彩を変化させた実験結果)を建築学会にて発表し、同分野の他研究者の意見を踏まえながら、現在主観評価実験の結果を分析中である。 アジアの歴史的観光都市である台北(台湾)、バンコク・チェンマイ(タイ)、及びマラッカ(マレーシア)のショップハウスの実態調査を行った。マラッカの調査においては、ショップハウスのファサード構成要素について詳細な調査を行い、年代別の色彩・デザインの特性を明らかにした。また、国際学会にて諸外国における街並み景観色彩や、画像による評価手法に関する情報収集を行った。 以上を踏まえ、現在、評価実験で用いる視対象画像の作成中である。現地で写真撮影により収集したショップハウスが建ち並ぶ街並み画像を、開口部や窓装備、壁面色彩などのファサード構成要素の特徴に基づいてショップハウスを幾つかのパターンに分類し、各分類カテゴリにおける代表的なショップハウスを数軒ずつ選定して、評価実験で用いる視刺激画像を作成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度である平成24年度において、台湾・タイ・マレーシアのショップハウスの実地調査を行い、その中でも世界遺産に指定されているマラッカを対象として詳細な実態調査を実施し、ショップハウスのファサード構成要素を抽出できた。 また、先行研究としてこれまでに実施してきた京町家を評価対象とし、アジア人被験者による主観評価実験については、平成24年度に10名の留学生から協力を得ることができ、データを収集している。 実態調査に基づく視対象画像の作成、及びデータ分析は現在も行っている最中であるが、次年度への準備段階に入っており、初年度の研究目的は概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、前年度に実施したアジア人留学生による京町家を対象とした主観評価実験結果の分析を進め、これまでに得られた日本人による評価結果との比較検討を行う。検討にあたり、場合によっては追加でアジア人留学生による評価実験を実施する。 また、マラッカで得られたショップハウスファサード画像を用いた主観評価実験を実施する。現在、実験実施に向けて、画像の製作などの準備中である。なお、評価項目や評価手法の決定にあたり、国内外の学会に参加して情報収集を行い、実験計画をたてるための知見を得る。
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次年度の研究費の使用計画 |
情報収集のための国内外学会への参加旅費、参加費、及び主観評価実験における謝金、その他、実験実施やデータ分析に要する物品(メディアや解析ソフト)などに研究費を使用する計画である。
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