Fe2O3の(0001)から発せられる即発蛍光X線と遅延蛍光X線の両者の観測を行い、入射方位に対するそれぞれの蛍光X線の強度変化の観測を行った。即発蛍光X線は試料の結晶対称性を反映した3回対称性を示していたが、遅延蛍光X線は2回対称性を示していた。即発蛍光X線は、コッセル線も観測され通常の蛍光X線ホログラムと同じと解釈される。2回対称性については、メスバウアー効果の影響があり、核磁気の異方性が関係していると考えた。ここでは、サンプル磁化ベクトルと光の磁場の関係が影響していると考え、その結果、M1遷移吸収プロセスが大きく関与している可能性が考えられた。
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