研究課題/領域番号 |
24656372
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木口 賢紀 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (70311660)
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研究分担者 |
佐藤 和久 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70314424)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 強誘電体 / リーク / 電子顕微鏡 / 位相 / 内部ポテンシャル / 薄膜 / CSD法 |
研究概要 |
本年度は、MOD原料を用いたCSD法でSrTiO3単結晶基板上へのBiFe0.97Fe0.03O3薄膜及びPb(Mg1/3Nb2/3)O3薄膜のエピタキシャル成長条件を検討し、高分解能電子顕微鏡法により結晶構造と組織を詳細に調べた。BiFe0.97Fe0.03O3薄膜については、(1) BiFe0.97Fe0.03O3薄膜に対し、窒素雰囲気中650℃以上でポストアニールを行うことで配向性が向上すること、(2)積層するごとに550℃の本焼、650℃以上でポストアニールを行うことでBi2Fe4OがBiFeO3に対し配向関係を保って成長するが、Bi2Fe4O9は膜表面近傍で生成しやすく自形を保って成長すること、(3) 酸素中ではBiFeO3の分解反応が促進され、ポストアニールを750℃以上で10分間行うことで巨大なBi2Fe4O9を中心とした島状組織を形成すること、(4)Bi10%過剰の仕込み組成でBiFeO3を成膜することで、Bi2Fe4O9の生成を抑制することができること、(5)BaTiO3をBiFeO3に固溶させることで構造が安定化し異相の生成を抑制できるものの、配向性が著しく低下することを見出した。 Pb(Mg1/3Nb2/3)O3薄膜については、 (1) Pb10at%過剰の仕込み組成で酸素雰囲気中650℃で本焼し、700℃以上でポストアニールすることで、パイロクロア相の生成を抑制しペロブスカイト相単相のエピタキシャル薄膜の成長を実現できること、(2) 1nA/cm2オーダーの優れたリーク電流特性を実現できることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、CSD法によりBiFeO3薄膜ならびにPb(Mg1/3Nb2/3)O3薄膜のエピタキシャル成長条件を確立すると共に、高分解能電子顕微鏡観察によるナノ組織の解明まで到達した。 ほぼ単相で、結晶性の高いエピタキシャル成長が可能であったことから、電子顕微鏡を活用した内部ポテンシャル解析やリーク特性評価に耐えうる試料が得られたと考えられ、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は薄膜合成を中心に研究を進めてきた。次年度は、得られた薄膜を使用して、高分解能電子顕微鏡画像の位相再構築による内部ポテンシャル評価を中心に研究を進めるとともに、マクロな電気特性との対応を明らかにする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度未使用額は、研究が効率的に進展したためであり、平成25年度分と併せて次年度の試料合成、電子顕微鏡試料作製、ならびに論文投稿や学会発表など成果の公表等研に充てる予定である。
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