研究課題
強誘電体BiFeO3(BFO)の巨大自発分極を利用したカーボン系材料の表面キャリア制御を目指し、今年度は主にBFO/ダイヤモンド積層構造をゲートとした電界効果トランジスタ(FET)構造の形成とキャリア制御を中心課題として取り組んだ。当該デバイスの根幹部となるBFO/ダイヤモンド積層構造部に関して、良好な界面形成を目的としてBFOは比較的低温での成膜が可能なCSD法で堆積を行った。その結果、酸化物-カーボンという一見すると極めて相性の好ましくない組合せにおいても堆積されたBFOの良好な強誘電性と絶縁性の確保が実現された。強誘電体ゲートを用いたダイヤモンドのキャリア変調に関して、作製されたFET構造を用いて、高濃度ボロンを添加したダイヤモンドの抵抗-温度特性に対するゲート電界印加による低効率変化について検証を行った。結果として十分な抵抗値の変調は確認されなかったが、この原因として多結晶ダイヤモンド基板上にホモエピ成長させたボロン添加ダイヤモンド層の欠陥による電界印加に対するスクリーニングの影響が強く示唆される。現在、継続的な取組みとして、上記のスクリーニングの影響軽減を目的として単結晶ダイヤモンド基板上に高品質ホモエピチャネル層を形成したFET構造の形成を試み、明瞭なキャリア変調効果の実現を目指している。
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Physica Status Solidi Rapid Research Letters
巻: Early View ページ: in press
10.1002/pssr.201309022
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 52 ページ: 04CH03
10.7567/JJAP.52.04CH03