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2012 年度 実績報告書

第一原理格子ダイナミクスによるアパタイト型高速イオン伝導体の拡散機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 24656382
研究機関名古屋大学

研究代表者

松永 克志  名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20334310)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワード第一原理計算 / 拡散 / 活性化エネルギー
研究概要

アパタイト型結晶構造を有するランタンシリケートについて、そのイオン伝導メカニズムを定量的に解明するため、第一原理計算を用いた理論解析を行った。まず格子間酸素イオンの最安定・準安定サイトを網羅的に探索したところ、アパタイト型構造のc軸に平行な酸素イオンカラム近傍に最安定となる格子間酸素イオンサイトが存在することがわかった。さらに0.1eV程度エネルギーが高い準安定格子間サイトがSiO4四面体近傍に存在していた。これらは従来の実験報告と一致した結果である。また格子間酸素イオンサイトを結ぶイオン伝導経路とそのポテンシャルエネルギー障壁をNudged Elastic Band法により調べた。アパタイト型結晶構造において、格子間酸素イオンが格子間をすり抜ける格子間機構を仮定した場合、エネルギー障壁が1 eVを超える結果となった。実験値(0.5-0.9eV)を念頭に置くと、格子間機構による拡散は困難であると考えられる。そこで、イオン半径の大きな酸素イオン同士の連動を考え、準格子間機構によるイオン伝導を検討したところ、格子間機構に較べ低いエネルギー障壁であることがわかった。この準格子間機構による酸素イオン伝導の様子は、別途行った高温での第一原理分子動力学計算でも確認することができた。このような酸素イオン伝導機構は従来報告に無いメカニズムであり、複雑な結晶構造を有するランタンシリケートやその類縁物質が示す高いイオン伝導度の起源であると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Theoretical analyses on interstitial oxygen sites in apatite-type oxide-ion conductors2012

    • 著者名/発表者名
      Kouta Imaizumi, Kazuaki Toyoura, and Katsuyuki Matsunaga
    • 学会等名
      IUMRS-ICEM2012
    • 発表場所
      Yokohama
    • 年月日
      20120923-28
  • [学会発表] アパタイト型酸素イオン伝導体におけるイオン伝導経路の計算解析2012

    • 著者名/発表者名
      今泉孝太、豊浦和明、松永克志
    • 学会等名
      日本セラミックス協会秋季シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20120918-20
  • [学会発表] La10(GeO4)6O3おける酸素イオン伝導経路の計算解析2012

    • 著者名/発表者名
      今泉孝太、豊浦和明、松永克志
    • 学会等名
      日本金属学会秋季大会
    • 発表場所
      松山
    • 年月日
      20120917-20120919

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公開日: 2014-07-24  

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