研究概要 |
CO-H2O系の反応(CO+H2O=H2+CO2)を促進させる触媒の探索のために、H2及びCO2と次の金属の反応性を検討した。800℃におけるCu, Ni, FeとCO2との反応の標準自由エネルギー(ΔG0)の計算と実験による確認を行った(M+CO2=MO+CO, M:金属)。Cu, Niの反応のΔG0は正の値となり、反応が進行しない事が示唆された。実験的にも5 h の反応では、Cu, Niの酸化は認められなかった。一方、Fe はCO2と反応し、FeOが生成した。この反応のΔG0は負の値であり、実験結果と一致した。CuO, NiO, Fe2O3, SiO2, Cr2O3, TiO2について、800℃でのH2との反応のΔG0の計算と実験的確認を行った(MO+H2=M+H2O)。CuO, NiO, Fe2O3のΔG0は負と計算された。H2との2 hの反応では、これら3種の金属酸化物は金属へ還元され、計算結果と一致した。SiO2, Cr2O3, TiO2についてはΔG0は正の値となり、800℃、2 hの実験では、H2との反応は進行しなかった。以上の計算及び実験の結果より、酸化還元が進行する電気化学セルの電極に対して、Feは有力な触媒候補となりうることが明らかとなった。
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