研究課題/領域番号 |
24656390
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
平田 好洋 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (80145458)
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研究分担者 |
鮫島 宗一郎 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (00274861)
松永 直樹 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40405543)
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キーワード | バイオガス / 一酸化炭素 / 水素 / 水蒸気 / 二酸化炭素 / 電極 / 電気化学セル / シフト反応 |
研究概要 |
COとH2O蒸気の反応でH2を得ることができる(CO + H2O → H2 + CO2)。Co2O3-GDC(ガドリニウム固溶セリア、Ce0.8Gd0.2O1.9)電極を有する多孔質GDCセルに1 ボルトを印加し、CO/H2O = 1/5モル比のガスを流すと、400 ℃で6 - 11% H2, 35 - 49% CO2及び30 - 32% O2が生成した。さらに反応温度と電極触媒の影響を調べた。Co-GDC (Ce0.8Gd0.2O1.9)カソード / GDC多孔質電解質 / Fe-GDCアノードのセルを作製した。電極は30 vol%の金属(Co, Fe)を含む。1 Vを印加した。CO / H2Oのモル比1 / 7.35の混合ガスを400 - 700 ℃の電気化学セルで反応させると、体積比H2 / CO2 = 1のH2-CO2混合燃料が大量に生成した。H2燃料の割合は、低温で高い値を示した(400℃で45% H2 , 40%CO2)。これは、熱力学的計算による予想と一致する。O2ガスの生成量は極めて少ない。カソードのCo3O4は、シフト反応後に金属Coに還元された。一方、シフト反応後のアノードにはFe、Fe3O4、GdFeO3、GDCの4相が認められた。CoがH2Oと反応してCoOとH2を生成し(Co + H2O → CoO + H2)、CoOは電気的に還元されてCoとO2-イオンを生じる(CoO + 2e- → Co + O2-)。生成したH2、O2-イオン及び供給したCOはアノードへ移動する。アノードのFe3O4において、COによる還元反応(Fe3O4 + CO → 3FeO +CO2)と電気化学的酸化(3FeO + O2- → Fe3O4 + 2e-)が起こり、COガスとO2-イオン間の反応が促進される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Co-GDC(ガドリニウム固溶セリア、Ce0.8Gd0.2O1.9)カソード/GDC多孔質電解質/Fe-GDCアノードのセルにおいて、CO-H2O混合ガスから400 °Cで45%H2と40%CO2が生成し、当初提案の反応モデルを確証することができた。
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今後の研究の推進方策 |
Coカソード/porous GDC(ガドリニウム固溶セリア、Ce0.8Gd0.2O1.9)/FeアノードセルにおいてCO-H2O系の反応が400-700 °Cにおいて進行し、30-45%の大量のH2が生成した。この結果を踏まえて、MnO-Cu-YSZカソード/porous YSZ/Fe-YSZアノード(YSZ:イットリア安定化ジルコニア)セルでのCO-H2O反応を試みる。Fe3O4と同様にMnOはMn3O4を形成し、触媒能を有すると思われる。Cuはアノードでの電子導電性を高めるために混入する。YSZはGDCと同様にO2-イオン導電性を有している。
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