研究課題/領域番号 |
24656398
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川添 良幸 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 名誉教授 (30091672)
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研究分担者 |
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00271966)
ベロスルドフ ロディオン 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10396517)
佐原 亮二 独立行政法人物質・材料研究機構, 元素戦略材料センター 構造材料ユニット 組織設計グループ, 主幹研究員 (30323075)
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キーワード | 第一原理計算 / 数値シミュレーション / 非調和格子振動算定 / 熱伝導率算定 / 熱電変換の物性理論 / 全電子混合基底法開発 / ワニエ関数 / スーパーコンピューター |
研究概要 |
熱は単純な広く行われるようになったエネルギー算定を遙かに超える問題であり、従来は現象論的な算定に止まっていた。そのため、材料の熱伝導率を実験結果を用いずに算定したり、熱電変換効率の良い材料の理論設計は不可能と思われていた。本挑戦的萌芽研究では、この問題を物理の理論に立ち返って検討し、定量的な熱伝導及び熱電変換の算定を試みた。まず、第一原理シミュレーション計算には、研究グループが独自開発している全電子混合基底第一原理シミュレーション計算プログラム・パッケージTOMBO(TOhoku Mixed Basis Ab initio Program Package)を活用した。格子の調和振動を算定する方策(我々の開発による、各原子を動かして力定数を算定し、ダイナミカル行列を解く)を、非調和格子振動に拡張し、全エネルギーの3次及び4次の微分係数を求め、それを元に、熱伝導と 熱電変換の効率を算定した。全エネルギー算定を、その3次以上の微分係数まで算定可能とするため、TOMBOの計算精度の向上を図り、必要とするレベルを達成した。熱電変換効率の算定に当たり、まず、従来から知られているBiTe等を最初に扱った。実験値の知られている材料に対し、十分な精度でシミュレーション計算結果が得られることを確認し、その後、新規材料設計を開始した。具体的には、GeSe等を対象として、熱伝導率及び熱電変換効率の算定を試みた。これらの成果は、国内外の会議で発表を行い、論文としてまとめて公表予定である。
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