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2014 年度 実績報告書

金属ガラスにおける過冷却液体状態の直接観察

研究課題

研究課題/領域番号 24656400
研究機関東北大学

研究代表者

平田 秋彦  東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (90350488)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード金属ガラス / 原子構造 / 電子顕微鏡 / 電子回折 / ガラス転移
研究実績の概要

本研究の当初の目標は、金属ガラスの過冷却液体状態とガラス状態における局所構造の違いを、これまでに開発したオングストロームビーム電子回折法を用いて明らかにすることであった。具体的には、過冷却液体領域の広い金属ガラス試料を用い、透過電子顕微鏡内で加熱ホルダーを使うことにより、過冷却液体温度域での電子回折を取得する予定であった。しかし、試料のドリフトや変質などの問題により過冷却状態で良好なデータを取得するのは極めて難しかった。また、本手法では大量なデータが解析に必要なため、試料の安定な保持が特に重要であるのも大きな問題であった。そこで昨年度から当初の予定を変更して、広い過冷却液体領域を持つバルク金属ガラスPd-Cu-Ni-Pのガラス状態での局所構造を詳細に調べることにした。得られた電子回折パターン中には強い強度のスポットが見られた。この試料から1000以上の大量のパターンを撮影してすべて重ね合わせたところガラスに特徴的なハローリングを再現しており、このガラスの高い安定性を考慮しても、このスポットは決して結晶から生じているものではないことがわかる。また電子回折マップを撮影することにより、回折スポットの相関長を見積もることが可能であり、おおよそ1~2nmの値をとることが明らかとなった。つまり、このバルク金属ガラスの構造は結晶ではない1~2nm程度の構造的相関を持つ領域の集合であると言うことができる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Depth-resolution imaging of crystalline nanoclusters attached on and embedded in amorphous films using aberration-corrected TEM2015

    • 著者名/発表者名
      J. Yamasaki, M. Mori, Masayuki, A. Hirata, Y. Hirotsu, N. Tanaka
    • 雑誌名

      Ultramicroscopy

      巻: 151 ページ: 224-231

    • DOI

      doi:10.1016/j.ultramic.2014.11.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Angstrom-beam electron diffraction of amorphous materials2014

    • 著者名/発表者名
      A. Hirata, M.W. Chen
    • 雑誌名

      Journal of Non-Crystalline Solids

      巻: 383 ページ: 52-58

    • DOI

      doi:10.1016/j.jnoncrysol.2013.03.010

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] オングストロームビーム電子回折による金属ガラスの局所構造解析2014

    • 著者名/発表者名
      平田秋彦
    • 学会等名
      顕微鏡学会・次世代顕微サイ
    • 発表場所
      淡路夢舞台国際会議場
    • 年月日
      2014-11-04 – 2014-11-04
    • 招待講演
  • [学会発表] 電子線回折を用いた金属ガラスの局所構造解析2014

    • 著者名/発表者名
      平田秋彦、藤田武志、陳明偉、弘津禎彦
    • 学会等名
      日本金属学会2014
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2014-09-24 – 2014-09-26
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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