SrTiO3を基板としてNiOを成長させた試料において非常に興味深い結果が得られた。SrTiO3とNiOには、僅かな格子不整合が存在する。そのために、NiO薄膜中には貫通転位が形成される。NiOは通常反強磁性体であるが、この薄膜中に形成された貫通転位においてMFMにより磁気特性を計測したところ、転位コアにおいてのみ強磁性が発現することを見出した。このユニークな物性は、転位コアにおいてNiOの結晶構造が変化し、強磁性を有する構造へと変化したためであると考えられる。この成果はNature Material誌に掲載された。
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