熱処理や光照射によって,生体不活性な酸化物を生体活性に,生体活性な酸化物を生体不活性にできるか検討した。純Zr表面に湿式合成したZrO2膜の表面状態は,熱処理や光照射に敏感ではなかった。一方,純Ti表面に湿式合成したTiO2膜では,熱処理によって表面の水酸基密度を低下させることができた。逆に,紫外光を予備照射することで擬似体液中でのアパタイト析出を促進することもできた。これは,生体活性の回復に相当する。また,紫外光の連続照射によって,表面の帯電状態を制御できる可能性も示された。このように湿式合成されたTiO2では,光照射を機能切換えのトリガーとして利用できることが示唆された。
|