メゾスケール(ここではサブミクロンから数ミクロンスケール)のフレーク形状を有する酸化バナジウム膜を、一種の自己組織化的プロセスである、液相成膜法により形成した。その光透過特性は、従来の緻密なVO2膜で見られるサーモクロミック挙動では説明ができない熱応答性を示すことを見出した。この機構の光学的な解析によれば、サーモクロミズムに起因する屈折率変化が要因である可能性が高い。すなわち、屈折率の影響が大きい光散乱特性の変化が、この開放的な構造で強く現れた結果であると考えられる。本研究では、さらに、応用上重要となる大面積化を見据えた技術と、その熱伝達特性の評価技術の開発に取り組んだ。
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