研究課題/領域番号 |
24656429
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小原 良和 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90520875)
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研究分担者 |
山中 一司 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00292227)
辻 俊宏 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70374965)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 非破壊検査 / 非線形超音波 / フェーズドアレイ / 曲面 / 閉じたき裂 |
研究概要 |
東日本大震災による福島第一原発事故発生以降、原発の安全性は世界的関心事だが、その非破壊評価において「曲面部材」と「閉じたき裂」が2大障壁である。例えば、福井県大飯3号機では原子炉容器上蓋の溶接部を応力腐食割れSCC(stress corrosion crack)が貫通する事故があったが、「①曲面のため通常の平面型探触子では検査できないこと」、「②SCCが閉じており超音波が透過してしまうこと」から、その検査法は未だ存在しない。 そこで本研究では、応募者らが独自に開発してきた閉じたき裂の映像法「サブハーモニック超音波フェーズドアレイSPACE(subharmonic phased array for crack evaluation)」と、最新の「曲面形状に合わせて変形できるフレキシブルアレイ探触子」との融合により、SPACEの曲面対応への新展開をはかることを目的とする。 H24年度は曲面形状に合わせて変形できるフレキシブルアレイ探触子の設計を行った。分解能やグレーティングローブ抑制条件に加えて、実機構造物を想定して、曲率半径10mmの凹型・凸型まで各素子が接触できるように、素子数・素子間距離・素子幅・厚さを考慮してフレキシブルアレイ探触子を設計し、曲面検査用映像化アルゴリズムについて検討した。また、曲率を持つ試験体の場合、平面型アレイ探触子用の映像化ルゴリズムは適用できないため、試験体の曲率を考慮した映像化アルゴリズムの基本設計を行った。さらに、これまで蓄積してきた閉じたき裂作製のための知見に基づいて、実証用の閉じたき裂試験体作製の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、フレキシブルアレイ探触子の設計が終了し、映像化アルゴリズムの構築も終了したため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の設計に基づき、フレキシブルアレイ探触子を試作する。そして、応募者が開発してきたレーザ干渉計走査による評価法[小原(応募者)ら、非破壊検査、60(11) (2011)658]を用いて、音場計測を行うことで、送受信性能・分解能を実験的に検証する。また、曲面対応型SPACEの実装方法を検討し、その基本性能を実証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
フレキシブルアレイ探触子の試作、試験片作製費用、研究課題に関する情報収集のための国内外会議への出張旅費等への使用を計画。
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