Al中にTiNi粉末を分散させたインゴットを室温で鍛造・圧延により塑性加工したところ,Al9FeNiナノ析出物が生じた.塑性加工によりAlとTiNi粉末の界面で反応が開始し,TiNi粉末近傍で局所溶解し,Al9FeNi相が生じることを明らかにした.また,Al9FeNi相析出がAlの機械的特性に及ぼす影響を調べるため,Al板表面にFeNi電解めっきで被覆し,表層のみを高周波誘導加熱して,Al9FeNi相が析出した試料を作製した.この試料についてビッカース硬度測定を行った結果,Al9FeNi相析出により硬度が20%高くなった.また,Mg-10Al合金の表面にNi膜を蒸着し,表層のみを加熱した.
|