研究課題/領域番号 |
24656435
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
保坂 純男 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10334129)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 自己組織化 / 量子ドット / 太陽電池 |
研究概要 |
本研究は、3次元量子ドット太陽電池研究のため3次元量子ドット構造の形成技術の確立が必要であり、トップダウン方式の形成技術を確立することを目指し、平成24年度、25年度と2年間の研究を行う。ここでは、トップダウン方式の形成方法として、SiO2層で上下挟んだpoly-Si層(約10nm厚)を多数形成し、さらに、これをp型Siおよびn型Siで積層した多層トンネル接合PIN-Si基板を形成し、上面にブロックコーポリマー(BCP)を用いた自己組織化法により微小ドットを形成し、転写により、3次元Si量子ドット太陽電池構造を形成するものである。平成24年度では、(1)BCP(ポリスチレンーポリディメチルシロキサン、PS-PDMS)を用いた自己組織化法によるドット形成法、(2)自己組織化法により形成したPDMSドットを第一レジストとして多層レジスト形成法、(3)ドット径20nm、ピッチ33nmの2次元ドットパターン形成、(4)多層トンネル接合PIN型Si太陽電池基板の予備検討である。 実験の結果、(1)、(3)に関しては、PS-PDMSの分子量、30000-7500、11700-2900の2種類のBCPを用いて自己組織化実験を行い、平均ドット径20nm、10nm、平均ピッチ33nm、20nmの2次元ドットパターンを得た。目標以上の成果を得た。また、ドット形成プロセスに関しては、ドットパターン形成のため、BCPの塗布膜厚制御、アニール、CH4-、O2-反応性イオンエッチング(RIE)の条件を見出すことができた。(2)に関しては、最終エッチングをCH4-RIEとし、このRIEに耐性を持つC膜に転写する技術を開発した。(4)に関しては、LP-CVDを用いたpoly-SiとSiO2膜形成について検討した結果、10nm、1nmの膜厚制御が極めて難しいことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の目標、(1)BCP(ポリスチレンーポリディメチルシロキサン、PS-PDMS)を用いた自己組織化法によるドット形成法の確立、(2)自己組織化法により形成したPDMSドットを第一レジストとした多層レジスト形成法の確立、(3)2次元ドットパターンの目標サイズ、平均ドット径20nm、平均ピッチ33nmの達成、(4)多層トンネル接合PIN型Si太陽電池基板の予備検討に対して、目標を達成した。特に、(3)に関しては、平均ドット径10nm、平均ピッチ20nmのPDMSドットパターンの形成が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、3次元量子ドット太陽電池形成のための基板形成プロセスおよびデバイス作製プロセスの確立を行う。特に、基板は多層トンネル接合PIN型Si太陽電池基板を形成する必要があり、p型Si基板を用いて、これに、熱酸化膜(1nm厚)、LP-CVDによるpoly-Si膜(10nm厚)、LP-CVDによるSiO2膜(1nm厚)、Pドープpoly-Si膜(50nm厚)の形成など薄膜制御方式を確立する。さらに、この基板に平成24年度に開発した(1)から(3)の微小ドット形成技術によるドットパターンをマスクに3次元量子ドットSi太陽電池を試作し、その太陽電池特性を計測し、理論と実際を比較する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の高アスペクト微細構造形成法の検討と多層トンネル結合PIN型太陽電池の改良試作および発電効率特性の計測を行う。これにともないプロセス作業に必要なターゲット材料、電子材料、機械部品、真空部品、および計測に必要な電子部品などの購入費、65万円を計上する。旅費、謝金は、前年度と同様にプロセス技術者との打ち合わせおよびプロセス装置借用ための国内出張と、実験補助者への謝金、合計25万円を予定している。 尚、平成24年度分につきましては、計画的に使用したが、結果7,993円の残額が生じたため、平成25年度分と合わせて計画的に使用する。
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