白金触媒を用いない高性能な微生物燃料電池を実現することを目的としたものである。まずS. cerevisiae が炭素繊維の分散剤として機能することを見いだしたうえで,分散導電網を形成させることでCNFの添加量の増加に伴い電極の実効表面積が拡大し,電池セル出力が増加することを明らかにした.そしてCNF 1.5 wt.% 添加の系では,従来の最大電力密度の約20 倍にあたる204 µW/cm2 を達成し,微生物燃料電池の高出力化に向け,炭素繊維分散導電網の有用性を示した.さらに導電網が形成される為の炭素繊維添加量にはしきい値が存在することを,パーコレーション理論により明らかにした.
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