本研究では、有機系溶媒中で、ソリューションプラズマを発生させカーボン材料を合成するとともに、電極に金と白金を用いることで、これらがプラズマによってスパッタされることで粒子が形成される現象を利用して、導電性カーボン材料に粒径1nmの単分散性金白金合金ナノクラスターを一段階で合成する。また、合成した材料をリチウム‐空気電池の電極触媒系として応用することにより、世界最高レベルの放電容量を有する電池の開発を目指す。金および白金によって、過電圧の低下と反応制御によって副生成物の生成を抑制し、リチウム空気電池で問題となっている析出物の可逆的な反応を促し、充放電特性の向上を目指す。 本年度は、金・白金の合成とカーボン系材料の一括合成プロセスおよび担持プロセスを開発した。 ①金と白金の合金粒子のスパッタリングと同時に、ベンゼンからカーボン材料を合成し、カーボン材料の合成と金白金合金ナノクラスターの一括合成を行った。条件を変化させることで、粒子径や担持量を変化させた。 ②電極間距離の変動をリアルタイムでフィードバックする装置を改良し、モニタリング方法を工夫することで、電極間距離を一定に保ち、安定して合成できる装置を開発した。 ③一括合成プロセスで得られたナノクラスター担持カーボン材料をリチウム-空気電池正極材料に応用し、充放電時の電気化学的な特性から、反応の解析を進めた。また、ナノクラスターを担持させることで、充放電特性の性能が向上することを確認した。
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