固体酸化物形燃料電池アノード材料であるNiO-YSZ複合粒子を用いて、ソフトな表面活性化(比較的弱い物理的衝突処理)に基づく衝突固化現象について調べた。その結果、酸化物粒子径が10nm程度以下の場合に、多孔質状に衝突固化が生じることを明らかにした。これは各粒子表面の水酸基間の脱水縮合反応が衝突によって進行したためと推測された。この成膜プロセスにより得られた燃料電池アノードでは低い分極ロスが確認された。また、リチウムイオン電池正極材の成膜プロセスにおける摩擦帯電現象の可能性も調べた。複合ナノ粒子の適用により静電成膜に必要な帯電量を発現できるなど、溶媒フリーなプロセス技術の可能性を示した。
|