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2012 年度 実施状況報告書

トップダウン・ボトムアップ融合型微細加工による金属ナノ構造体の創成と制御

研究課題

研究課題/領域番号 24656447
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関大阪大学

研究代表者

山本 洋揮  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00516958)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード材料加工・処理 / ナノ材料 / 半導体超微細化 / 表面・界面物性 / 電子・電気材料
研究概要

本研究では、モノを削っていくトップダウン手法であるリソグラフィ技術では困難である1ナノレベルの制御を行うため、金属ナノ粒子のアグリゲーションという自己集合的なボトムアップ手法をトップダウン手法に融合することで、原子レベルで制御できる新規微細加工技術の創製することを目的としている。
平成24年度は、原子レベルで制御できる新規微細加工技術の創製するために有機溶媒中での金属ナノ粒子の形成メカニズムの解明を目指した。THFは様々なポリマーやイオン分子を溶かすことができるので、まずピコ秒パルスラジオリシス法を用いてテトラヒドロフラン(THF)やプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)中での溶媒和電子の生成過程を調べた。THFに量子ビームが入射すると溶媒和電子が生成され、赤外に吸収ピークを持つ非常に幅の広い吸収ピークが測定してTHF中での二次電子の分布を明らかにした。
また、THFおよびPGMEA溶媒中での金属イオン分子と電子との反応性を調べた。同様に、プロズモン吸収分光測定法によってTHFおよびPGMEA溶液中で生成される金属ナノ粒子の生成を調べた。数種類のポリマーを溶かして金属ナノ粒子の安定性へのポリマー依存性、線量効果、金属ナノ粒子のサイズ、ポリマー構造の金属ナノ粒子形状依存性を調べた。とりわけ、安定性がある銀ナノ粒子の作製を試みた結果、400 nm付近に表面プラズモンバンドが観察され、THF中での銀ナノ粒子の作製に成功した。実際に、透過型電子顕微鏡(TEM)で粒子サイズや粒子サイズ分布も明らかにした。
このように、THF中での初期過程反応の解明及び有機溶媒中での金ナノ粒子と銀ナノ粒子の作製に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は、原子レベルで制御できる新規微細加工技術の創製するために有機溶媒中での金属ナノ粒子の形成メカニズムの解明を目指した。ピコ秒パルスラジオリシス法を用いてテトラヒドロフラン(THF)やプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)中での溶媒和電子の生成過程を明らかにでき、THFおよびPGMEA溶媒中での金属イオン分子と電子との反応性を調べることできた。この結果より、高分子薄膜中での反応機構の解明の糸口を見つけることができた。
同様に、プロズモン吸収分光測定法によってTHFおよびPGMEA溶液中で生成される金属ナノ粒子の生成を調べ、数種類のポリマーを溶かして金属ナノ粒子の安定性へのポリマー依存性、線量効果、金属ナノ粒子のサイズ、ポリマー構造の金属ナノ粒子形状依存性を調べた。とりわけ、安定性がある銀ナノ粒子と金ナノ粒子の作製に成功し、それぞれの表面プラズモンバンドが観察され、THF中での銀ナノ粒子と金ナノ粒子の作製に成功した。実際に、透過型電子顕微鏡(TEM)で粒子サイズや粒子サイズ分布も明らかにできたので、高分子薄膜中でも金属ナノ粒子がどのように生成されるか明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

有機溶液中で金属ナノ粒子の生成に成功したので、今後はポリマー薄膜中での金属ナノ粒子の生成について調べる。特に、ポリマー薄膜中での金属ナノ粒子のアグリゲーション過程の解明を試みる。実際に石英またはシリコン基板上にスピンコートし、薄膜を形成して、75 kVの電子ビーム描画装置や集束イオンビーム、ガンマ線などの量子ビームを使って薄膜中で金属ナノ粒子が形成可能であるか調べる。ナノ粒子が均一に分散するような高分子材料を探索するとともに、ポリマー構造による金属結晶成長の違いについて観察する。具体的には、ポリマーとしてはポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリヒドロキシスチレン(PHS)などを用い、高分子中で金属ナノ粒子が形成可能であるかどうかを調べる。薄膜中でのナノ粒子観察には、溶液系と同様にTEMを使用するが、AFMやSEMを使っても大きさを測る。また、高温領域まで加熱しながらAFM測定を行い、薄膜中で金属同士がアグリゲーションする様子を調べる。まず、ポリマー薄膜中で金属ナノ粒子が動けるかどうかを調べる。次に、ポリマーと金属ナノ粒子の相互作用によってナノレベルで金属結晶成長やアグリゲーションを制御できるかを明らかにする。また、ポリマーの種類による金属ナノ粒子の形状との関係を明らかにする。溶液系で得られた知見と化学増
幅型レジスト中でのエネルギー付与過程を考慮して薄膜中での金属配線形成メカニズムの解明に取り組む。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は物品費の購入にあてる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Location Control of Nanoparticles Using Combination of Top-down and Bottom-up Nano-fabrication2012

    • 著者名/発表者名
      H. Yamamoto、A. Ohnuma、T. Kozawa, and B. Ohtani
    • 雑誌名

      J. Photopolym. Sci. Technol.

      巻: 25 ページ: 449-453

    • 査読あり
  • [学会発表] Formation of Nano Reaction Field Using Combination of Top-down and Bottom-up Nanofabricaiton2012

    • 著者名/発表者名
      H. Yamamoto、A. Ohnuma、B. Ohtani and T. Kozawa
    • 学会等名
      38th International Micro & Nano Engineering Conference (MNE 2012)
    • 発表場所
      Toulouse、France
    • 年月日
      20120916-20120920
  • [学会発表] Position Control of Gold Nano-particles by Fine Fabrication Technology of Topdown-Bottom-up2012

    • 著者名/発表者名
      H. Yamamoto、A. Ohnuma、T. Kozawa, and B. Ohtani
    • 学会等名
      29th International Conference of Photopolymer Science and Technology
    • 発表場所
      Chiba, Japan
    • 年月日
      20120626-20120629

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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