研究課題/領域番号 |
24656449
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
正木 匡彦 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00360719)
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キーワード | グラファイト系材料 / 炭化ホウ素 / 溶接 |
研究概要 |
本研究の目的は、炭化物系融剤を用いたグラファイト複合材料の溶接加工の技術を確立することにある。炭化ホウ素は融点が2450℃と極めて高いものの、純炭素との間に共晶点を有している。これまでに炭化ホウ素―炭素の混合体に対して高出力半導体レーザーを集光して局所的高温処理をすることにより完全溶融状態が実現し、その凝固組織には共晶半田特有のラメラ状組織が形成されることを見出している。この炭化ホウ素を応用した溶接条件の最適条件を探すとともにC-C複合材料やグラッシーカーボンなど超軽量構造材料としての用途が見込まれる材料の溶接接合を試み、その接合強度や耐久性などを評価し、グラファイト複合材料の溶接接合の可能性を明らかにする。 2013年度においては、グラッシーカーボン棒に対する炭化ホウ素融剤の適合性を実験的に確認し、焼結炭素棒と同等の溶け込みが生じることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グラファイト材料と炭化ホウ素を溶接接合するため、これまでに高純度アルゴンのグローブボックス,高出力半導体レーザー,アルゴンガスの精製装置など関連する機器の準備を進め、2013年度までにそれらがほぼ完了した。また、焼結グラファイト棒やグラッシーカーボンなどの接合試験を行い、母材への融剤の溶け込みが十分であることを確認し、また凝固組織において新たな共晶相が発現することを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
溶接接合の評価を行うにあたり、炭化ホウ素の融体状態の原子構造をX線回折装置を用いて明らかにする。また炭化ホウ素―純炭素の混合体の溶融凝固時の相変化を明らかにする。また、シリコンなどの添加元素の効果や溶融した融剤を急冷することによるアモルファス相の生成の可否などを実験的に明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末において加熱用レーザーの冷却水循環装置の性能強化を図る必要が出たため、研究費の一部を次年度に送り、その費用に充てることとした 2014年度において、冷却水循環装置の性能強化を図るための費用に充てる。。なお、冷却水循環装置を強化することにより、レーザーの出力を高くすることができ、実験の確実性を向上させることが可能である。
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