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2013 年度 実績報告書

希土類磁石中のNd,Dyの溶融塩中直接浸出・回収プロセスの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24656457
研究機関名古屋大学

研究代表者

市野 良一  名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (70223104)

キーワード廃ネオジム磁石 / 溶融塩電解 / リサイクル / 選択的浸出
研究概要

材料中へ少量添加するのみで材料の機能が向上する希土類元素は原産国の戦略物資であるため確保が難しい。本研究は廃希土類磁石から希土類を1プロセスで回収するプロセスを開発する研究である。Fe-Nd(-Dy)-B磁石は主成分が安価なFeであるため、酸に溶解後に溶媒抽出等により分離することは酸を多量に用いることやFeがスラッジとして大量に排出されるなどの問題がある。本研究は、廃磁石から溶融塩中に希土類元素のNd、Dyのみを浸出することにより、Fe-Bは固体として回収する。一方、浸出したNd、Dyは溶融塩電解によりカソード上に金属として回収するものである。
昨年度は、溶融塩の選定と希土類磁石からの希土類の浸出分離について検討し、溶融塩中に98%前後の希土類が存在し、鉄は2%以下であった。今年度は処理量の増加とカソード電極上への析出について検討した。
アノードにタンタルで作製した箱電極を用いることにより、電解による磁石粉の塩中への落下が防止でき、さらに廃磁石の処理量の増大が可能となった。また、電解後のネオジム磁石は磁石内部からの浸出が起こったために磁石形状が崩壊し、浸出しやすい形状となりタンタル箱電極は有効に働いた。
各金属(Nd、Dy、Fe)のカソード分極曲線測定より、-2.0V付近で溶融塩の分解によるLiの析出、Nd、Dyの析出電位は-1.8V付近で、Feの析出電位は-0.6V付近であった。これらのことから、レアアースよりFeの方が析出しやすく、浸出時にレアアースのみを塩中に選択的に浸出する必要があることがわかった。
浸出電位-1.0V、析出電位-1.8Vで定電位電解することによってレアアースが選択的に浸出・回収可能であることがわかり、溶融塩中にレアアースが97%以上の組成で浸出し、また、レアアース組成95%以上の析出物が得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ネオジム磁石からの希土類の回収技術2013

    • 著者名/発表者名
      [2] 神本祐樹,市野良一
    • 雑誌名

      環境技術

      巻: 42 ページ: 669-674

  • [学会発表] Disolution-deposition of rare earth from neodymium magnets by molten salt2013

    • 著者名/発表者名
      G. Yoshimura, Y. Kamimoto, R. Ichino
    • 学会等名
      ICSE2013
    • 発表場所
      BEXCO, Pusan, Korea
    • 年月日
      20131118-20131120
  • [学会発表] 溶融塩電解法によるネオジム磁石からの希土類元素の浸出・析出処理2013

    • 著者名/発表者名
      吉村元貴,神本祐樹,市野良一
    • 学会等名
      資源・素材2013,札幌
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20130903-20130905

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公開日: 2015-05-28  

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