研究課題
放射性物質の浄化を目的として、環境負荷のかからないバイオフィルムによる分離濃縮の可能性について検討した。本プロジェクトでは、実験室的バイオフィルム反応容器(LBR)を開発した。これは底部に水槽を、上部に透明カラムを配し、これらを塩化ビニール製のパイプで連結して回路を構成する構造になっている。これによって大気中の雑菌を用いて加速的にバイオフィルムを実験室中において形成させ、その中にいくつかの金属を濃縮させることが期待された。ポンプで水槽から浄水をくみ上げ、カラム中に流し、カラムから水槽へと戻すサイクルを数日繰り返した。カラムから水槽へと流れる浄水は、一度パイプから出て中間板に落下し、ここで側面に配置したファンから吹き付けられる実験室雰囲気と混ざり合い、水槽に落下し、これを繰り返すことによって雑菌が浄水中に混入し、LBR中のカラム内に設置された試験片上でのバイオフィルム形成が促進された。実験終了後試料を取り出し、低真空SEM-EDXでバイオフィルム形成状況、元素分析を行った。あわせて3D可視化が可能な光学顕微鏡も用いて確認作業を行った。これにより、多くの金属元素とストロンチウム、セシウムのバイオフィルム中への濃縮挙動を観察した。水中(水溶液中)の含有金属成分(半金属も含む)はすべてバイオフィルム中に移行した。この点から、バイオフィルム中への分離は基本的に可能であることがわかった。これはすべての金属について成立すると言える。一方濃縮に関しては、著しく濃縮することが認められたものは、シリコン、カルシウム、鉄、亜鉛、クロムである。一方本プロジェクトのテーマとして取り上げられたストロンチウム、セシウムに関しては、著しい濃縮は認められず、確証が得られなかった。従って、現段階では、分離は可能であるが濃縮は認められないというのが結論である。この点については今後の検討が必要と考える。
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