研究課題/領域番号 |
24656464
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
神谷 秀博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20183783)
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研究分担者 |
荻野 賢司 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10251589)
飯島 志行 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70513745)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ミクロ相分離 / 表面設計 / 導電性ポリマー / ナノ複合体 |
研究概要 |
無溶媒(乾燥)状態でも流動性を有し、粒子表面に重合性官能基を有する機能性ナノ粒子の設計を3種類の表面分子構造ができる系で合成し目標の流動性が得られるかを分担者の飯島が検討した。機能性ナノ粒子の設計はモデル出発原料としてSiO2高分散性ゾルを用い、Bourlinosらの報告を基にした、有機鎖に4級アンモニウム塩を含有するシランカップリング剤の固定化およびアニオン性界面活性剤のイオン交換法による修飾プロセス、カチオン性高分子分散剤(ポリエチレンイミンなどとアニオン性界面活性剤を用いた交互吸着プロセス等を検討した。アニオン性界面活性剤としては、ナノ粒子の樹脂膜中における相分離構造を誘起させるために必要なポリエチレングリコール鎖、および重合性官能基(ビニル基)を有する界面活性剤を利用した。ナノ粒子の安定性を維持したまま各修飾剤を固定化する表面修飾プロセスを確立したうえで、PEI分子量やシランカップリング剤の4級アミン構造、アニオン性界面活性剤のPEG鎖分子量などが、得られた機能性ナノ粒子乾燥体の物性(擬流動性の温度依存特性)を確認した。 また、各種分子量のPEO-MI,PEO-b-PSブロックポリマーを分担者の荻野の経験に基づいて合成し、トルエン、およびTHF中で異なるミクロ相分離構造を有するフィルム状ポリマーの生成に成功した。ミクロ相分離構造は、原子間力顕微鏡等により観察し、目的の分離相が生成していることを確認した。初年度目標とした、ミクロ相分離相の生成の確認と、界面に析出させる表面修飾ナノ粒子の生成法の確立に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3種類の表面分子構造のシリカナノ粒子の合成に成功した。ミクロ相分離構造が生成したポリマーフイルムの生成にも成功しており、次年度実施する最終目的であるミクロ相分離相内部、または界面に粒子の大量析出、偏析に取り組む基礎基盤を計画通り確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
合成に成功した表面修飾を施した無溶媒条件で流動性を有する分散性ナノ粒子を用い、ミクロ相分離構造の内部および界面への大量析出を試みる。粒子の生成、析出状態をTEM等で観察し、想定したナノ粒子配列設計したミクロ相分離ポリマーフィルムが得られるかを検討する。また、イオン導電性の表面改質を施した系については導電性など電気的特性を評価、解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度中の実験が順調に進み、当初想定した量より少ない薬品、試薬量で期待した以上の成果が出たため、次年度使用予定の薬品、試薬、ガラス器具等の消耗品の購入費に充当する。
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