研究課題/領域番号 |
24656467
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
入谷 英司 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60144119)
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研究分担者 |
片桐 誠之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00345919)
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キーワード | 可逆凝集 / 超高圧脱水 / 廃棄物 / 汚泥 / 減量化 / 圧搾 / 含水率 / 空隙率 |
研究概要 |
本研究では、産業廃棄物の中で最大の排出量割合の汚泥を減量化するための革新的脱水技術として、可逆凝集と多段超高圧圧搾とを融合させた脱水法を提案し、難脱水性汚泥の高速減量化の可能性を探究する。具体的には、汚泥を緩く凝集させて粗大フロックを形成させ、0.1~0.5 MPaの低圧下で圧搾して自由水を迅速に除去し脱水ケークを得た後、可逆凝集によりフロックを崩壊させ、さらに圧力のステップ増加により5~50 MPaの超高圧を多段で作用させ束縛水を除去し極低含水率ケークを得て、汚泥の高速減量化を図る。代表的な難脱水性有機汚泥の下水余剰汚泥を用いて、本研究で提案する高効率高速脱水法の有効性を検証した。様々な可逆凝集法について検討を行った結果、純水透過を行うことで一旦形成したフロックが崩壊することが確認され、中でも多価イオンのポリ塩化アルミニウム(PACl)を用いる場合に圧密脱水速度が最も大きくなることがわかった。可逆凝集操作後に種々の圧力で圧搾脱水したところ、圧搾圧力が大きいほど脱水速度・脱水度とも大きくなり、50 MPaで超高圧圧搾した場合には、ケーク含水率は23 %となり、現存技術の60 ~ 70%を遙かに凌ぎ、前例のない極めて小さな値が得られた。なお、可逆凝集法が脱水速度に与える影響は大きいが、最終的な脱水度については超高圧を作用させると可逆凝集の方法によらず充分な効果が望めることが明らかとなった。脱水ケークの空隙率と圧搾圧力との関係は、両対数プロットで直線関係となり、圧搾圧力を大きくすることで更なる脱水度の向上が期待できる。また、このようなデータの整理により従来法では不正確であった空隙率の推算がより正確にできることを示した。以上より、本法により難脱水性有機汚泥の高速減量化が実現でき、今後、スケールアップ等、実用化に向けた取組みを行うことで、現在の汚泥処理問題への貢献が期待できる。
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