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2012 年度 実施状況報告書

既存膜性能限界を打破する挑戦的異型構造中空糸膜の創製

研究課題

研究課題/領域番号 24656470
研究機関神戸大学

研究代表者

松山 秀人  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50181798)

研究分担者 神尾 英治  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30382237)
大向 吉景  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20513542)
石神 徹  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70595850)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード異型構造 / 水処理 / ファウリング
研究概要

膜技術は、グリーン・イノベーションを達成するキーテクノロジーとして注目されている。膜分離は原理的に膜を挟んで相変化が起こらないため、相界面での不可逆的損失を大幅に低減可能な省エネルギー的手法である。しかし現状の膜性能は、構造が理想的で無いことや汚れ物質の付着のために、その理論的最高性能には及ばない。本研究では、異型構造膜を世界に先駆けて創製し、理論的最高性能への到達度を高めることで、既存膜の性能限界のブレークスルーに挑戦したい。
平成24年度の成果を下記に示す。
①数値流体力学による解析:中空糸膜の異型形状は膜表面近傍での流速分布に影響を及ぼすことから、平滑膜と比較した流速分布の変化がファウリング挙動に作用するものと考えられる。数値流体力学ソフトを購入し、外圧式ファウリングモジュール内の流速分布のCFD解析を行った。凸部の形状とせん断応力の関係について、詳細なシミュレーション行った。凸部広さ,凸部の高さ,凸部の間隔や数についてパラメータを変化させた流路を設計し、CFDシミュレーションから流速分布を得た。特に凸部の高さはせん断応力に顕著な影響を与えることがわかった。従ってこのようなシミュレーションを通して、異型構造の中空糸膜の構造設計に関する指針を得たと言える。
②異型構造を有す膜の作製:耐薬品性が高く、機械的強度も高いポリエーテルスルホン(PES)をポリマーとして用いた。異型構造として規則的なナノパターンを有する表面の形成を試みた。つまりPDMS の鋳型を用い、0.5ミクロン, 1.0ミクロン, 2.0ミクロンの直径またはピッチ幅を有するPillar, Hole, Line の3種類のパターン形成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は研究計画通り、異型構造を有する中空糸膜周りの流れ計算について、数値流体力学解析を行った。またやはり計画通り、ポリエーテルスルホンを選択し、種々の異型構造を有する膜の作製にも成功した。
このように、概ね順調に研究が進行していると言える。

今後の研究の推進方策

平成25年度は前年度により得られた異型構造膜について、その膜ファウリング挙動を集中的に検討予定である。
実プロセスにおいては、処理水中に存在する微生物が膜表面に付着し、細胞外多糖(EPS)を分泌しながらバイオフィルムと呼ばれる微生物集合体を形成することで分離性能が低下するバイオファウリングが深刻な問題となっている。バイオフィルムの形成には膜の表面構造が影響すると考えられるが、膜材料の表面構造を系統的に検討している研究はない。そこで25年度は、バイオファウリングに及ぼす異型表面構造の影響について検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

研究費は、膜ファウリングの評価のための消耗品費(化学薬品、ガラス器具等)に主に用いる予定である。また成果発表の旅費としても使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 膜材料の表面物性がPseudomonas putidaのバイオフィルム形成に及ぼす影響2013

    • 著者名/発表者名
      長島誉典ら
    • 学会等名
      化学工学会第77年会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20130317-20130319

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公開日: 2014-07-24  

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