本研究では、準結晶合金の触媒作用と触媒材料としての可能性を見極めるため、2つの観点から研究を行った。1つ目は、触媒活性金属を構成元素に持つ各種Al基準結晶合金を触媒前駆物質としてNaOHまたはNa2CO3水溶液によりAlをリーチング(溶出)させた触媒を調製し、それらのリーチング挙動と触媒特性を詳細に調べた。2つ目は、準結晶のような複雑な構造を持つ合金(3元系Al基準結晶合金:Al-X-Y)を前駆物質としてこれからAlをリーチングする場合、従来の結晶Al基合金に比べ、準結晶合金からAlを抜取る際に生じる原子の再配列の方が非平衡相を創出する可能性が高いため、ユニークな合金化が起こるかを検討した。
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