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2012 年度 実施状況報告書

メカノケミカル修飾処理によるパラキシレン選択性ゼオライト触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24656488
研究機関横浜国立大学

研究代表者

脇原 徹  横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (70377109)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードゼオライト / 表面処理 / 触媒
研究概要

MFI型ゼオライト(ZSM-5:Si/Al比は19~200程度)を原料として粉体装置をもちいた処理をおこなった。実験に用いたゼオライト原料は主として市販品を用いたが、一部自身で合成したゼオライトも用いた。
ゼオライト表面の酸点を失活させるため、塩基としての役割をもつ金属酸化物をゼオライト粉体と複合化させた。具体的にはどの程度のせん断力で複合化し、表面不活性化できるか明らかになっていないため、この処理条件を探索した。
ZSM-5と金属酸化物微粒子の複合化には、粒子複合化装置を用いた。本装置の運転条件(投入粉量、ブレード回転数、ZSM-5/金属酸化物粒子比率、複合化エネルギー、複合化時間)を変化させることにより、ZSM-5外表面にMgOなどの金属酸化物粒子がどの程度被覆されるか系統的に調査した。特に、複合化装置のブレード回転速度を1000-5000rpmと変化させ、また処理時間は5-30分と変化させた。また、ゼオライト投入量と複合化の度合いについても調査した。ゼオライトを粒子複合化装置を用いて処理した既往の研究はないため、比較的大きく条件を振り、その影響を調査した。評価は窒素吸着による表面積の変化、XRDによる結晶性、電子顕微鏡観察による表面形状などにより評価を行った。
その結果、複合化処理時間、パワーと表面形状の変化について系統的な変化が現れることが分かった。さらに、得られたゼオライトを用いて、触媒特性評価を行った。その結果、パラキシレン選択性が向上することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

機械的複合化処理をもちいたゼオライト処理に関する既往の研究はない。ゼオライトの表面が具体的にどのように変化したかに関しては、FE-SEMをもちいた観察しか行っていない。とはいえ、実際に触媒特性が向上したことから、機械的複合化処理はゼオライト外表面の失活化には有効であることが分かった。触媒特性評価は2年目に行う予定であったが、前倒しで実施することができた。以上よりおおむね順調に研究が進展していると判断した。今後は、より多くのパラメーターを振って、機械的複合化処理とゼオライト触媒特性の相関関係を系統的に明らかにする予定である。

今後の研究の推進方策

機械的複合化処理が、パラキシレン選択性向上に有効であることが明らかになった。申請者の当初予定通りに研究が進んでおり、引き続き今後は複合粒子のパラキシレン選択性を評価する。触媒特性評価法として、メタノールによるトルエンのアルキル化を試みる。また、触媒特性評価結果を複合化プロセス条件にフィードバックさせる。触媒特性評価は研究連携者の横浜国立大学特任助教稲垣怜史と行う予定である。
先進的な粉体プロセス装置をゼオライトに適用した例は、知る限りにおいて申請者が報告したごく最近の研究のみである。これは、粉体プロセス装置が、セラミック産業分野でセラミック焼結体を作製するために開発され、他の産業分野には必ずしも広く知られていないという現状に因ると考えている。ゼオライトをトップダウン手法であるメカノケミカル修飾法により高機能化させるという試みは今までに例の無い、チャレンジ性の高いものである。必ずしも効率的ではないが、より多くの実験を行うことにより本質的な現象を見出せると考えている。複合化条件など可能な限りパラメーターを振って触媒特性評価を進める。

次年度の研究費の使用計画

当初予定よりも、一回あたりの実験に時間がかかることが明らかになった。装置を増やす、もしくは専属の補佐員を雇用することにより、より多くの実験を行う予定である。そのために、一部研究費の使用計画を変更する可能性もある。

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公開日: 2014-07-24  

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