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2014 年度 実績報告書

プラズマ照射が拓く新奇太陽光応答型光触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24656489
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉田 朋子  名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (90283415)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードHeプラズマ照射 / 光触媒 / ナノ構造体 / タングステン酸化物
研究実績の概要

Heプラズマ照射により樹枝状ナノ構造を形成させたWを酸化させることで得られる樹枝状構造WO3光触媒の活性点および触媒反応メカニズムを明らかにするために,樹枝状タングステンの表面酸化状態を変化させた各試料を用いて,光触媒的分解活性を評価すると共に,この試料の光応答性や触媒劣化について調べた.その結果,この試料は広波長領域(紫外~近赤外)の光に応答し,波長800nm以上の近赤外光照射下においてもメチレンブルー(MB)等の有機物分解反応を促進することが明らかとなった.
表面酸化割合の異なる試料を作製して反応を行ったところ,表面酸化割合が20%,35%,60%と高くなるに従い活性が高くなるが,表面酸化100%の試料ではわずかに活性を示すことが分かった.これらの結果からこの試料の活性サイトは低活性なWO3と高活性なW-WO3界面であることが分かった.またこの反応は,ナノ構造化したW(0)サイトが近赤外光を吸収し,生じた励起電子がナノ構造化WO3の伝導帯に注入されて進行すると推測した.
最も高い反応活性を示した表面酸化60%の試料と活性の低い表面酸化100%試料について繰り返しMB分解実験を行い,触媒劣化について調べたところ,表面酸化60%の試料のみ2回目の反応実験において著しく活性が低下した.その原因を追究するために表面酸化60%,100%の試料のMB反応前後のXPS,SEM,XAFS測定を行った.表面酸化60%の試料では,MB反応後に炭素質の付着とW(0)のW(VI)への酸化が起こっていることや,樹枝状構造の肥大化が見出されたが,表面酸化100%の試料ではMB反応前後で殆ど変化はなかった.XAFS測定では,表面酸化60%の試料にMB由来のS種の吸着が検出された一方で,表面酸化100%の試料には,このような吸着は殆ど認められなかった.これらの結果から,触媒劣化の原因は,酸化力の強いMBが試料表面のW(0)への吸着および酸化を引き起こし,W-WO3界面が減少したことに起因すると結論した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Surface modification of titanium using He plasma (2)2014

    • 著者名/発表者名
      S. Kajita, D. Kitaoka, N. Ohno, R. Yoshihara, N. Yoshida,T. Yoshida
    • 雑誌名

      Appl. Surf. Sci.

      巻: 303 ページ: 438-445

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Preparation of thickness-controlled TiO2 thin film to estimate the effective thickness for the photocatalysis2014

    • 著者名/発表者名
      T. yoshida
    • 学会等名
      11th International Symposium PREPA11
    • 発表場所
      Louvain-la-Neuve, Belgium
    • 年月日
      2014-07-06 – 2014-07-10

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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