研究概要 |
本研究では担体表面層の相転移に基ずき、Kイオンの表面からバルクへの移動により、多量のNOx貯蔵能と速やかな酸化還元サイクル挙動を可能としたPt-KNO3・チタネートナノベルト(KTN)触媒の反応機構の解明と性能の更なる向上を目指した。初年度はアルカリ金属イオンの添加量・種類やPt粒子径依存性を検討した。 今年度はまず類似の構造をとるK-ニオベート(KNbO3)やK-タンタレート(KTaO3)を調製しNOx貯蔵還元挙動を調べたが、KTNを超える性能(NOx貯蔵量=1.56mmol/g, 完全貯蔵時間=25min)は得られなかった。そこで、結晶構造の異なる3種類の酸化チタンを担体とした触媒での完全貯蔵時間をK担持量20 wt%触媒で検討したところ、P-25(Rutile/Anatase = 0.8) 担持触媒が13 min、ST-01 (Anatase)担持触媒が2 min、MT-150A (Rutile)担持触媒が5 minとなり、P-25担持触媒が最も優れていた。またNOX貯蔵量もP-25担持触媒が最も優れておりKTNに匹敵する1.53 mmol/g のNOXを貯蔵した。 チタニア担持触媒は貯蔵/還元のサイクルを繰り返してもNOX貯蔵量の減少が少なく、触媒耐久性が良かったため、Kの担持量の増加によるNOX貯蔵能の向上を目指したがP-25担持触媒はK担持量の増加に伴いNOX貯蔵能が減少する結果となった。MT-150A担持触媒ではK担持量の増加と共にNOX貯蔵量が増大したが、NOX完全貯蔵時間は低下した。 一方、ST-01担持触媒ではK担持量の増加と共にNOX貯蔵量が大幅に向上し、NOX完全貯蔵時間も33wt%において2 minから18 minへと飛躍的に向上した。
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