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2013 年度 実績報告書

光分解性PEG脂質を用いた細胞選択回収法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24656498
研究機関東京大学

研究代表者

長棟 輝行  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20124373)

キーワード光分解性PEG脂質 / 細胞パターニング / 一細胞アレイ / 細胞分離回収
研究概要

再生医療から細胞生物学の基礎研究までの幅広い分野において、目的とする細胞種を選択し、正確に分離回収する技術が必要不可欠となっている。しかし、既存のフローサイトメーター等を用いた手法では、抗体などを用いて識別可能な細胞種にしか適用できないこと、また、擬陽性や擬陰性の細胞も分取してしまうことが問題として挙げられる。そこで、本研究では、光応答性材料をコートした基板上に一細胞ずつ並べた細胞アレイを作製し、目的に適う細胞のみを光照射によって迅速簡便に回収する技術の開発を目的とした。
今年度は、一細胞アレイを用いて、一細胞ずつの動的な性質をハイスループットに画像解析した。一細胞アレイ上では細胞の位置が規格化されているため、簡便なプログラムによって高速に一細胞解析を実施できる。我々の開発した一細胞アレイと画像解析プログラムにより、非接着性細胞の経時的な形態変化を網羅的に解析し、膜受容体からのシグナル伝達に応じた細胞運動の定量化に成功した。これは、一個の細胞の一部を固定することで細胞の運動性に応じた形態変化を観察する本技術でしか得られない新しい細胞評価パラメーターである。また、既存の一細胞アレイでは解析が困難な接着性細胞のランダムウォークの定量化も一細胞ずつハイスループットに行うことができた。
また、光分解性PEG脂質/BSA表面に一細胞アレイを作製して観察・解析後、望みの細胞に光を照射して光分解性PEG脂質の分解によって細胞を基板から遊離させ、細胞を回収することを試みた。共焦点顕微鏡での観察下で、複数の細胞に対して光を照射し、流路を用いて均一なせん断応力を細胞に負荷したところ、光を照射した細胞の選択的遊離が確認された。この手法では、複数の細胞に光を短時間照射するだけで、ハイスループットに目的細胞の回収・不要細胞の除去ができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Dynamic PhotoChemical Lipid Micropatterning for Manipulation of Nonadherent Mammalian Cells2014

    • 著者名/発表者名
      Yamahira, S., Takasaki, Y., Yamaguchi, S., Sumura. K., Kanamori, T. and Nagamune, T.
    • 雑誌名

      Methods in Cell Biology

      巻: 120 ページ: 131-144

    • DOI

      10.1016/B978-0-12-417136-7.00008-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transfer printing of transfected cell microarrays from poly(ethylene glycol)-oleyl surfaces onto biological hydrogels2013

    • 著者名/発表者名
      S. Yamaguchi, S. Komiya, E. Matsunuma, S. Yamahira, Y. Kihara, J. Miyake and T. Nagamune
    • 雑誌名

      Biotechnol. Bioeng.

      巻: 110 ページ: 3269-3274

    • DOI

      10.1002/bit.25010

    • 査読あり
  • [学会発表] Light-controllable Cell Patterning using Photo-cleavable Poly(ethylene glycol)-Lipid for Photoreleasable Cell Microarray

    • 著者名/発表者名
      山平真也、 山口哲志、 須丸公雄、 金森敏幸、 長棟輝行
    • 学会等名
      第13回東京大学生命科学シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学本郷キャンパス、東京
  • [学会発表] 光分解性PEG 脂質を用いた一細胞アレイ化技術と細胞解析への応用

    • 著者名/発表者名
      山平真也、 山口哲志、 須丸公雄、 金森敏幸、 長棟輝行
    • 学会等名
      化学とマイクロ・ナノシステム学会第28回研究会
    • 発表場所
      イーグレひめじ、兵庫
  • [学会発表] 光分解性PEG 脂質修飾コラーゲン表面を用いた一細胞アレイ法の開発とその応用

    • 著者名/発表者名
      山平真也、 山口哲志、 長棟輝行
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス、愛知
  • [学会発表] 光分解性RGD-PEGを用いた細胞接着の時空間制御

    • 著者名/発表者名
      高崎裕美、 山口哲志、 山平真也、 長棟輝行
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス、愛知

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公開日: 2015-05-28  

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