プロペプチド変異体CPY(カルボキシペプチダーゼY)を酵母分子ディスプレイ法を用いて調製し、活性を測定したところ、成熟体のアミノ酸配列は同一であるが活性が変化しているCPY成熟体が得られた。 精製したこれらのCPYを速度論的解析により比較したところ、触媒効率の上昇が認められた。活性化エネルギーにも変化が認められることから、プロペプチドへの変異導入が成熟酵素の機能や構造の改変を誘導した可能性が示唆された。これらの結果は、「プロテインフォールディングメモリー」 として、分子内シャペロンが関わるタンパク質構造形成について新たな知見となった。
|