研究課題
本年度も引き続き超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析(SFC/MS)を用いたキラルリピドミクスシステムの構築に取り組んだ.rac-SSO,rac-SOL,rac-OOL,rac-LLO,rac-SLP,rac-OOP,rac-POL,rac-PLL,rac-POS,rac-PPS,rac-PPOなどのさらに多くのトリアシルグリセロールラセミ体標準品を用いて,SFC/MSにおける種々の分析条件の検討を行った.さらに,SOSとSSOやPOPとPPOなどのトリアシルグリセロール位置異性体の分離についても同時に検討を行った.各種キラルカラムを検討した結果,各種光学異性体の分離に成功した(特許出願,論文投稿準備中).また,SFCの特徴である低背圧を生かして,キラルカラムなど各種カラムを連結することにより分離能を向上させ,各成分の高解像度分離に成功した(特許出願).さらに,トリアシルグリセロール位置異性体の分離にも成功した(論文発表).また,本年度は,SFC/MSを用いたキラルリピドミクスシステムの生体成分,食品成分解析への応用に取り取り組んだ.構築したSFC/MSを用いたキラルリピドミクスシステムを用いて食品の成分や生体内成分中の脂質光学異性体のプロファイリングを行った.食用油サンプルにおいてトリアシルグリセロール光学異性体の分離に成功した(論文投稿準備中).また,各種食用油における位置異性体の分離についても成功した(論文発表).
2: おおむね順調に進展している
今年度予定していた超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析を用いたキラルリピドミクスシステムの構築においては,トリアシルグリセロール光学異性体の分離系の開発に成功し特許を出願することができた.また,実サンプルの分析においても順調に進めることができている.
引き続きリン脂質等他の脂質光学異性体の分離系の構築に取り組むとともに,構築したキラルリピドミクスシステムを用いて,生体内,食品等における光学異性体の存在比に関する情報を取得するととともに,光学異性体の機能解析を行う.また,得られた成果について学会,論文等で報告する.
平成25年度に臨床サンプルの分析を行う予定であったが,倫理委員会の承認に時間がかかりサンプルの年度内の入手が困難になったため,計画を変更し,次年度の行うこととした.上記の理由により臨床サンプルの分析を次年度に行うこととし,未使用額はその経費に充てることとした.
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Bioanalysis
巻: in press ページ: in press
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