研究課題/領域番号 |
24656506
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
二見 淳一郎 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (00420498)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | タンパク質工学 / 化学修飾 / 細胞生物学 / タンパク質細胞内輸送 / 細胞機能制御 |
研究概要 |
本研究では、動物細胞の表面や細胞内オルガネラに存在する膜タンパク質・受容体の前駆体を大腸菌等で組換えタンパク質として調製し、生理的な条件下で培養細胞に膜タンパク質を再構成・成熟化させる新規技術の開発に取り組んでいる。具体的には、独自開発の「変性タンパク質の可溶化技術」と「変性タンパク質を生細胞内で活性構造にするin cell folding法」を活用し、高純度に精製した膜タンパク質を一過的に生細胞で再構成・成熟化・機能させる新手法を確立を目指している。本年度はモデル系で成功したタンパク質以外にも複数のタンパク質での検証実験を進めたが、分子サイズが大きくなると、本システムの成功率が低下することが判明した。今後はより低分子のモデルタンパク質で構築可能なシステムを再考し、本手法が有効活用できる範囲を検証したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のとおり、一定サイズ以上の前駆体タンパク質の細胞内での成熟化は、分子サイズによる制限が生じることが判明した。申請書作成時に展望していた応用範囲を全てカバーすることは困難であるが、利用可能な分子サイズの範囲内でも利用価値の高いアプリケーションは創出できるため、実験計画に若干の修正を加えながら研究を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
前駆体タンパク質の生細胞内での成熟化には、分子サイズが150アミノ酸以下程度のものを活用することが望ましいことが判明した。厳しい制限にはなるが、工夫次第で有効活用ができるものと考え、今後もよりいっそうの努力を続ける。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究を実証するためのモデルタンパク質を再考し、これらの人工遺伝子作成や細胞内導入試薬の改善、細胞培養実験等に必要な消耗品費に使用する。
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