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2012 年度 実施状況報告書

バイオ電池に有用な酸化還元酵素の効率的なスクリーニング技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24656508
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

土居 信英  慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (50327673)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード酵素 / 進化 / バイオマス / 電気材料 / マイクロ・ナノデバイス
研究概要

有機物を直接電気に変換できるバイオ電池は、環境負荷が小さい新しいエネルギーデバイスとして期待されているが、天然の酸化還元酵素を用いるため出力や寿命が限られており、実用化にはまだ多くの課題がある。そこで本研究では、酵素の進化工学により、バイオ電池の高出力化・長寿命化に役立つ、高い活性と安定性をもつ酸化還元酵素を汎用的かつ効率的にスクリーニングできる新しいシステムを開発することを目的とした。
初年度は、モデルとなる酸化還元酵素遺伝子をクローニングし、アフィニティー精製用のタグなどを付加した融合遺伝子を作成し、大腸菌発現系または無細胞タンパク質合成系を利用して酸化還元酵素を調製した。それぞれの酵素ごとに従来の測定法を用いて、酵素活性を保持していることを確認した後、ハイスループットスクリーニングに向けた活性検出の条件を確立することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の研究実施計画の目標をすべて達成することができた。

今後の研究の推進方策

ダイヤモンド微小電極による酸化還元酵素の活性測定条件を確立することができたので、今後は、ダイヤモンド微小電極を組み込んだマイクロデバイスを作成し、酸化還元酵素を固定したマイクロビーズをマイクロ流路に順番に流して活性を測定するスクリーニング系を構築する。
まず、フォトリソグラフィによる標準的な集積回路・微細加工技術を用いて、ダイヤモンド微小電極とその検出回路を組み込んだマイクロ流路デバイスを試作し、多数の変異体酵素の活性を連続自動測定できる計測システムを構築する。具体的には、ダイヤモンド微小電極と信号処理用の回路を組み込んだ反応槽に、酵素と酵素反応に必要な共通の基質を供給するマイクロ流路とマイクロポンプを連結する。酵素を固定したビーズをマイクロ流路に順番に流し、電極を組み込んだ反応槽の中で、ビーズ上の酵素の活性により生じる電流値を測定する。ビーズへの酵素の固定には、すでに当研究室で方法を確立している水/油型エマルジョン内でのPCRおよび無細胞タンパク質合成を用いる。
次に、構築したスクリーニング系を用いて、実際に活性または安定性の向上した変異体酵素のスクリーニングを行う。このとき安定性の高い変異体を得るための選択圧として、あらかじめ酵素を段階的に上昇させた温度で熱処理を行い、その後、高い残存活性を維持している変異体を選択する。上記スクリーニングにより得られた変異体酵素について、大腸菌における大量発現または無細胞タンパク質合成系による大量合成を行い、アフィニティー・タグを利用して精製する。その後、従来の吸光度などを指標とした活性測定や、円二色性や内在性の蛍光などを指標とした熱変性実験により、タンパク質の活性や安定性の特性評価を行う。

次年度の研究費の使用計画

フォトリソグラフィによるマイクロ流体デバイスの作成費用の内訳は、集積回路作製用の抵抗・ICなどの電子部品、レジストなどの化学薬品、ガラス・Si基板などである。
その他に、酸化還元酵素をビーズに固定するためのPCR酵素やオリゴDNA、無細胞タンパク質合成系などの分子生物学試薬の費用を計上している。

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公開日: 2014-07-24  

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