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2013 年度 実施状況報告書

磁力支持による超音速風洞実験法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24656514
研究機関東北大学

研究代表者

大林 茂  東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80183028)

キーワード風洞 / 超音速流 / 磁力支持 / ソニックブーム
研究概要

低ブーム超音速飛行の研究が日米欧において注目を浴びているが,従来の風洞実験では模型支持干渉が必須のため,理論の実証を行うためには飛行試験しかなく,実験機を実際に飛行させるか,バリスティックレンジ(弾道飛行試験装置)を用いて模型を自由飛行させるしかなかった。しかし,飛行実験の代替え実験技術として,磁力支持天秤装置(MSBS)が考えられる。MSBSは,永久磁石を内蔵した模型の周囲に磁場を発生させて模型を気流中に浮揚させることで,支持干渉のない理想的な状態で模型を指定した位置・姿勢で支持できる。さらにこの装置は制御状態から模型に作用している空気力も評価できる天秤としての機能も持つ。
本研究では,東北大学流体科学研究所の超音速吸込み式風洞にMSBSを適用し,模型に働く力とソニックブーム近傍場波形の同時計測を行う手法を確立し,世界各国で進められている低ブーム理論の検証を行うとともに,空力性能とのトレードオフを見極める。
このため,東北大学流体科学研究所にある超音速吸込み式風洞とJAXAより移管された10cm MSBSを改修した。超音速風洞にMSBSを導入する際に問題となるのが始動停止荷重である。この問題を克服するために,昨年度は高速・高精度なポジションセンサーを開発した。今年度は,測定部内の磁場の周波数特性改善も併せて行うことで速応性の高いMSBSを開発した。さらに,磁力支持のシミュレータを開発し,測定値との比較を行うことで,風洞始動時に模型を磁力支持可能な試験条件について考察を行った。その結果、必要な模型特性が特定でき,初めて模型を磁力支持したままで,超音速風洞の起動・通風に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

超音速磁力支持に成功したため。

今後の研究の推進方策

超音速風洞が起動,停止する場合に,スパンの小さい主翼上で左右対称に衝撃波が風洞軸方向に高速に移動しても,模型の磁力支持状態を保てるようにして,揚力を出した状態で超音速気流中に有翼模型を磁力支持できるようにする。(多分,揚力を有した模型の磁力支持は世界初となる)この技術により,ソニックブーム近傍場波形を測定する試験法についての検討が,試験レベルで可能となる。ただし,現状では集合胴からの気流の質が十分でないため、引き続き装置の改修を行う。集合胴内に整流網を導入し、流れ場測定試験が可能な気流の質を確保する。
また、感圧塗料などの圧力計測技術の適用可能性についても引き続き検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Development of a Magnetic Suspension and Balance System for Supersonic Wind Tunnels

    • 著者名/発表者名
      Yoshiki Takagi, Hideo Sawada and Shigeru Obayashi
    • 学会等名
      52nd AIAA Aerospace Sciences Meeting (Scitech 2014)
    • 発表場所
      National harbor, USA
  • [学会発表] 磁力支持天秤装置による多自由度非定常運動の検証実験

    • 著者名/発表者名
      大嶋龍,澤田秀夫,大林茂
    • 学会等名
      日本航空宇宙学会北部支部2014年講演会
    • 発表場所
      仙台

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公開日: 2015-05-28  

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