研究概要 |
2つの波長の光に対するマッハツェンダー干渉計画像を同一のカラーCCD 面上に結像し、非定常2次元(あるいは軸対称)の電離気体流れ場における重粒子密度、電子密度分布を同時計測できるシステムを開発した。これは、屈折率変化に対する密度・波長依存性が電子と重粒子で異なることを利用するもので、光源にはデバイス感度が高い波長 473nm(B 成分)と 593nm(R 成分)の2台の CW 半導体レーザーを、ビームスプリッターを介して用いた。撮影は、カラーCCD 高速度カメラ(画素数;360×410pixel、撮影条件;200,000 コマ/秒、露光時間;3μs)を用いた。電離気体からの自発光を除去するために、当該 2 波長帯域のみを透過するデュアルバンドパスフィルター(半値幅 10nm)を用いることによって、S/N 比の飛躍的向上が実現した。得られた干渉計画像に対して波長感度補正を行った後、それぞれ2次元フーリエ変換し、2次元周波数空間にてノイズ除去を行ったのち、逆フーリエ変換、再構成を施すことによって位相変化の2次元分布が得られる。このようにして得られた2つの2次元分布から適切な演算を施すことによって、重粒子、電子の密度分布が得られる。このシステムを、直径 350mm、長さ400mm のテストチャンバー内で、TEA 炭酸ガスパルスレーザーを用いて生成したアルゴンプラズマの計測に適用し、重粒子密度 5×1025m-3、電離度約 10%のプラズマの軸対称密度場測定に成功した。
|