300V発電太陽電池直接駆動を目指した超小型衛星搭載用真空アーク推進機の開発を行った。本年度に実施した内容を以下にまとめる。 1. 推力計測:推力測定ターゲットを円板型から円錐型に改良し、推進剤の反射により過大評価していた推力測定の改善を行った。 2. 電圧およびコンデンサ容量を変化:コンデンサの印加電圧およびコンデンサ容量を変化させて金属蒸気速度計測を行ったが、平均速度の大きな変化は見られなかった。また推力測定を行って印加電圧および電荷量が推進性能に与える影響を調べた。その結果、推力は放電の電荷量と比例関係にあることが分かった。 3. 超小型衛星搭載用推進機の作成:昨年度はエンジニアリングモデルを作成し、300Vで発電太陽電池を用いて直接駆動実験を行ったが、本年度は打ち上げ予定の超小型衛星に搭載するための、回路作成を行った。 本年度の研究により超小型衛星への搭載が予定され、軌道上でのプラズマ干渉による点火、放電頻度の計測、放電電流波形の計測、繰り返し放電による衛星姿勢の変化、などのミッションが予定されている。
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